元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1570回
QOL(いのちの質)!患者と医師の違い

拙著新刊「ガン延命学新書
〜希望こそ良薬 あきらめは毒薬〜」で
病院選び、医師選びのコツについて書きましたが、
「第7則 病院の言いなりになることが
QOL(いのちの質)治療ではありません」・・・
の項目紹介の続きです。

         *

(医師は)傷口を小さくすることだけが、
いのちの質を考えた治療だというわけです。
プロ野球の王監督の胃ガン手術ではありませんが、
最近は腹腔鏡手術、内視鏡手術も盛んになりました。

たしかに患者にとって、
体にダメージの少ない手術は朗報ですが、
よくよく聞いていれば分かるとおり、
多くの医師が唱えるQOL治療とは、
何が何でも「手術」を強行するために編み出される
「QOL医術」の話なのですね。

術後の患者の人生や、やがて現れる再発・転移に苦しみ、
ひどい場合は合併症・副作用といった
治療の弊害で苦しむ患者の実態に目をつぶり、
患者の人生丸ごと、生活全体のQOL(いのちの質)には、
なんのケアも考えないケースが、
あまりにも多すぎるのです。

筆者にしても、8年前に、
6センチの食道ガンの腫瘍を切り取るために、
放射線と抗ガン剤を併用する、
いわゆる「集学的治療」がQOL治療だと説得されたわけですが、
土壇場で手術は避けたものの、
抗ガン剤と放射線の疼痛はもちろん、
副作用、後遺症は、わが人生観を破壊するほどひどいものでした。
これが、美辞麗句を並べた
大学病院で常識とされるQOL治療の実態だと
体感したわけです。

QOL(いのちの質)を大切にする医療とは、
ただ手術を軽減させる医術の話ではありません。
本書を読んでいる人ならば、
お分かりでしょうが、ガンのような突発性老化病は、
切ったり、焼いたり、叩いたりするだけでは完治できない、
いわゆる生活習慣難病です。
長い長い人生の心身を蝕む老化病です。
ですから、手術や化学劇薬による応急治療のほかに、
さらに、日ごろからの食事や呼吸法などによる養生、
また未来に希望をもたらす環境場つくりといった、
ホリスティックな治療の設計とスローヘルスな処世の発想が
見直されるべきときなのです。

患者は壊れた機械ではありません。
人間丸ごとをみる、いのち全体をみる医療こそが、
ほんもののQOL(いのちの質)を守る医療です。
ずばり、QOLの分かる医師とは、
ただ手術負担を軽減することに甘言を弄する医師ではなく、
「患者の寂しさが分かる医師」のことでしょう。
もちろん、患者の人生観に答えて「患者の味方」として、
ホリスティックな治療を実践している病院や医師も、
じょじょに増えつつあります。
ですから、患者と家族のみなさんは、
こうしたガン治療の遅れた現状にあきらめてしまうのではなく、
したたかに患者本位の「病院選びと医師選び」を貫きましょう。

              *

では、実際に、病院を選ぶ、医師を選ぶにはどうすればよいのか?
筆者の盟友であり、キャンサーフリートピアという
ガン専門相談所の創設者・土屋繁博医師が提唱した、
少し辛口のチェック法を
箇条書きで挙げておきましたので、
明日紹介します。


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2006年12月14日(木)

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