元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1582回
キレる子どもも、幼児を殺す親も

もう5年前に、
「文」(公文教育研究会 2001年夏号)
という教育雑誌に書いた僕のエッセイ、
「命綱としての石塚左玄」に書いた「食育」のすすめ――、
僕が玄米菜食でガンの再発を防いだ体験談――
その話の続きです。

           *

もちろん、石塚の説はいま流行の
「素食のススメ」や「痩身の秘術」、はたまた
「環境保全」の論理と早とちりに
賛否云々されるものではないだろう。

筆者の好きな言葉に
「生命在脚下」という名言がある。
これはホリスティック医療を旨としている
帯津良一博士から教わった言葉だが、
栄養学、環境衛生、さらに伝統精神の昂揚などと
大上段に構えるのではなく、
命というものを足元から見直す大切さを、
簡明に述べたものだろう。

「食は病を医す」
「生命は足元にあり」
「自然と人間の共時性」・・・・・・
石塚左玄はこの命綱のイロハを後世に残した
貴重な先達のひとりといったらいいだろう。

さて、ここで一つ提案がある。
60歳を超えた癌爺の余命はどうであれ、
これからを担う子どもたちに
「命のメッセージ」をどう伝えていくかという課題だ。

アレルギー、若年性糖尿病、さらに精神破綻・・・・・・
西洋科学を丸呑みした小中学校の“翻訳教育”では、
もう処方の限界が見えているではないだろうか?

たとえば、石塚たちが残した「命綱のメッセージ」を、
課外授業として「口の科学」「鼻の科学」の
Q&Aとして教えてみてはどうだろうか?
きっと、命の大切さを伝える教育のイロハとなるはずである。

口や鼻といった生命維持装置が、
どう自然と受発信しているか?
ハンバーグやアイスクリームを食べ過ぎると
命の受発信装置がなぜ壊れやすくなるのか?
食物はよく噛んで食べないとどうして脳や心臓といった
中心臓器に負担をかけるのか?

パソコン世代には、こうしたアナログな
端末機器としての不思議物語のほうが、
命の大切さは理解しやすいかもしれないからです。
キレる子どもも、幼児を殺す親も少なくなるはずだ。
もちろん、癌で無駄死にする大人たちも少なくなれば
これほど素晴らしい
命綱のメッセージはないと思っている。

      *

ちょっと、長い引用紹介となってしまいましたが、
これが、5年前に、食育の元祖・石塚左玄の偉業を
僕の癌克服体験とオーバーラップさせながら、
教育雑誌に書き下ろしたエッセイの内容です。

当時は、二歩も三歩も早すぎた、
日本人の食事、命、そして「食育」に関わる提案でしたが、
老若男女を問わず、いままさに
心身を危機の真っ只中にさらしている、
日本人を癒す、日本人らしい発想法が、
この石塚左玄を開祖とするマクロビオティック食養生法
の思想のなかに秘められていると思います。


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2006年12月26日(火)

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