元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1603回
続々・中年からのアニマシオン(魂育)

これからは「中年からのアニマシオン(魂育)」=
大いに知的好奇心を昂揚させ、
中年からも「魂を進化させる」ことが大切。
この長寿災難時代に
「自分らしく輝いて生きる」ヒントがここにある――
中高年層から、人間の魂や霊魂といわれる
スピリチャルなものが成長進化するという
「40歳からの魂進化論」「成人の発達段階」を説いたのは、
ベルナルド・リーヴェへッド(Bernard Lievegoed)だ――
拙著近刊「ガン延命学新書」の第12則から、
その核心部分を紹介してきましたが、その続きの第13則を、
まだ読んでいない読者のため抜粋紹介させていただきます。

 *

第13則 経営の神様・松下幸之助と
「40歳からの魂進化論」を考える

「えー? 40歳からスピリチャルなもの、
魂や霊魂が進化するなんてそんなアホな?」
と思う人も多いでしょうが、信じるか、信じないかは別にして、
大きな病気をしていのちの不思議を体感した人、
いや、中高年になって若いころに比べると
思考が深まってきたと感じている人には、
ちょっと気になる考え方だと思いませんか?

この「40歳を超えた中高年層」から、
人間の魂や霊魂といわれる
スピリチャルなものが成長進化する――、
という「成人の発達段階」を説いたのは、
ベルナルド・リーヴェへッド(Bernard Lievegoed)という、
オランダの精神科医、教育者です。
半世紀の臨床診療の結果、
人間の神秘性は生物学的発達だけでは解けないとして、
年齢の各ステージに起こる内部特性を観察し、
「Phases―The Spiritual Rhythms in Adult Life」
(段階―成人期のスピリチャルなリズム)
という著書で分析しました。
この成人発達論に従えば、
40歳にして体力ばかりか、記憶も衰え始めるのに、
なにやら全体的な物事が若いころより見えてくる
不思議と符合するように思えませんか? 
つまり、「40歳は人生の大きな分岐点」というわけです。

ですから、身体、精神とスピリチャルな変化に
中年になって気がつかないで、権威や物欲ばかりに固執していると
思わぬ失脚を招いたりするわけです。
また、40歳を過ぎて、50歳前後、60歳前後に
大病を患う人が多い反面、
社会的には、責任ある組織の長になる年代である・・・
ということも納得できると思いませんか?(略)

先日、スローヘルス研究会にも理解の深い、
元廣済堂出版社長の中博さんと食事をしたときに、
この「40歳からの魂進化論」について話したところ、
面白い話をしてくれました。
ちなみに、中さんは、僕が現役の週刊誌編集長のころ、
経営の神様といわれた松下電器相談役の松下幸之助さんの
“側近秘書”を勤めていた方ですが、
「松下さんの成功の秘密には、体が弱かったことがあげられます。
兄二人が結核で死んでおり、
自分も二十二歳で結核の初期症状がでてしまい、
死を覚悟しました。
そこで考えたことは「どうせ死ぬのであれば、
養生して寝ながら死ぬよりも、
働けるだけ働いて死ぬ方がいい」と考え、
とくに中年以降はこころの面を人一倍磨いた、
まさにスピリチャルな進化を遂げた人。
94歳を全うした人です」というのです。

中高年こそスピリチャルなものを磨く――、
この話は季刊「いのちの手帖」第2号(発行・書斎屋)に
「94歳まで進化し続けた 松下幸之助の生命エネルギー」と題して
寄稿していただきましたが、
「40歳からの魂進化論」とは、この長寿災難時代に、
とても大切な視点となってきているのです。


←前回記事へ

2007年1月16日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ