元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1613回
患者が変われば病院も変わる!

拙著「ガン延命学新書
~スローヘルス(温和療法)のすすめ~」では
冒頭から、病院こそ変わるべきだと次のように
強調しました。

「己のいのちは己で創りましょう!
これからは患者が変わります! 
これからは家族が変わります!
患者が変われば医師も変わります!
そして病院を「いのちの広場」に変えましょう!
治療の場を「修理工場」から
「患者の家」に取り戻しましょう!」


ガン治療の新しい環境場を創るパワーは
患者自身の発想転換の中にあります。
いまは信じられないかも知れませんが、
やがて「患者無視のマニュアル病院」が
見捨てられていく時代となるはずです。
希望こそ良薬、あきらめは毒薬――、
これがスローヘルス患者学の立脚点です。

ちなみに「これからの病院は、
いのちの広場であるべきだ」という発想は、
筆者の主治医である帯津良一博士の提唱する
「ホリスティック医学」の構想に触発されたものです。
ホリスティック医学とは、
人間丸ごとをみる医学です。
そして四半世紀前から「スローヘルス」な治療法を推進し、
リードしてきた外科医・帯津良一博士は
日本ホリスティック医学協会の会長でもあり、
「患者、家族、医療者の三者が
命のエネルギーを高める場を作る」ことが
究極の医療だと提唱しています。

「大学病院の権威主義に始まり、
どこの病院でも、
医者が患者を見下ろす風潮が強いですね。
それでは医療とはいえません。
医療は、まず患者さんを敬う気持ちが
基本でなければなりません。
患者さんを中心に、
ご家族、医療者、この三つの立場の人たちが
心を合わせて病気と闘う、
それが医療であるべきです」

「だから、患者さんが癒されていくためには、
いかにエネルギーの高い場に
身を置くかが鍵になりますし、
患者さん自身も場のエネルギーを高めるために
貢献しなければなりません。

しかし残念ながら、そうはいってないのが現状です。
西洋医学陣営は相も変らず
エビデンス(注・立証性)が乏しいといって
代替療法を白眼視しますし、
代替療法側は商業主義に走るあまり
誇大な宣伝によって患者さんに
余計なストレスを与えてしまうこともしばしばです。
患者さんと医療を提供する側との統合が
まったく成っていないのです」

これからの長寿時代――
国民医療費は年間30兆円を超え、
ますます増えていきます。
患者の医療負担は一人一人に重くのしかかります。
もし高額な薬漬け治療でいのちを失ったら、
これほど悔やまれることはありせん。
もちろん患者を機械のように扱うマニュアル病院は、
その「いのちの広場」としての存立が問われてくるでしょう。


←前回記事へ

2007年1月26日(金)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ