元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1639回
注目の「ガン幹細胞研究室」を視察

今月の始め、エッセイストの逸見晴恵さんと一緒に台湾を訪問し、
台湾大学医学院前院長・楊照雄さんほか
台湾医学界を代表する医師のメンバーや、
ガン克服患者でもある医師のみなさんなど10名と、
漢方と西洋医学を統合する
「中西医結合」の現状と将来展望につて意見を交換してきたのですが
私たちは医師ではありませんが、
担ガン者ジャーナリストの立場から、
同じ志に燃える、お仲間として、
国境を越える連帯のメッセージをお返ししておきました。

「西洋医学だけではなく、
東洋医学や代替療法も組み合わせる治療で
いのちを拾った患者としては、
ガン統合医学のこうした新たな研究、積極的な実践に
大いに期待しているわけで、
中西医結合医学の先達である諸先生方の話を伺い、
大変、勇気をいただきました。
この縁を大事にして日台の医学交流に少しでも
お役に立ちたいと考えています」と。

そして、さらに、台北医学大学研究室で、
ケ文炳 台北医学大学教授のチームが行っている、
「分子造影技術による幹細胞再生実験」と
「ガン根治治療へ向けたガン幹細胞研究」
「漢方複合薬・天仙液の臨床前実験」という、
じつに立証的で積極的なガン治療研究の現場を
を視察する機会も得たのです。

ところで、最近、ガンの原因として
ガン幹細胞 (Cancer stem cell) 説というものが
定着しているのをご存知でしょうか?
「幹細胞」とは身体のもとになる細胞で、
どんな身体の組織にもなりうる、
材料みたいなものと考えたら分かりやすいと思います。
どんな身体のパーツにも育ちうる基本の細胞ですから
「万能細胞」とも呼ばれます。

この幹細胞は自己複製能力と多分化能力の特徴を持ちますから、
最近は、二つの研究が注目を集めるようになったわけです。
(1)再生医療(クローン技術 など)へ向けた臨床研究
(2)もうひとつ、ガン根治治療へ向けたガン幹細胞研究

さて、ガンと幹細胞の研究ですが、
「ガン細胞のもと幹細胞が見つかれば、
ガンを根治できるはずだ」と、
マウスの幹細胞から血管を生みだして
移植する手術も内外で始っております。
将来的には、乳ガン手術後の乳房の再建だけでなく、
心筋梗塞の治療、閉塞性動脈硬化症における血管新生、肝再生、
糖尿病の膵島の再生などへの期待も高まっているわけです。

台北医学大学研究室のマウスを
使った「ガン幹細胞」実験

“ガン幹細胞”は、全ての階層のガン細胞に分化できる、
万能細胞ですから、ガンの腫瘍が完治しても、
“ガン幹細胞”が1個でも残っていたら
また再発することになります。
“ガン幹細胞”のマーカーとなるタンパク質を
見つけることができれば、
これに結合する抗体を使い、
“ガン幹細胞”だけを攻撃する事が可能になるわけです。
ちなみに、“ガン幹細胞”が同定されたはじめたものには、
以下のような種類のガンがあります。
急性骨髄性白血病 急性リンパ性白血病 
慢性骨髄性白血病 乳がん 多発性骨髄腫 脳腫瘍       
前立腺ガン 食道ガン・・・。       

さて、台北大学医学院の幹細胞実験の中で、
僕たちが最も興味を持ったのは、
この「ガン幹細胞と漢方複合薬・天仙液」の関係を、
マウス実験で明らかにしようという試みでした。


←前回記事へ

2007年2月21日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ