元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1640回
「ガン幹細胞」と天仙液の相関は?

日台の医学交流懇親会で、
じつに積極的な中西医結合医学の理論と実際について、
台湾大学医学院前院長・楊照雄さんほか
台湾医学界を代表する医師のメンバーや、
ガン克服患者でもある医師のみなさんから伺ったわけですが、
いま、台湾の医学界における
新しいガン治療=ガン統合医療への挑戦は、
日本で想像する以上に積極的であることが分かりました。

たとえば、漢方薬などといいますと、
生活習慣難病などに効果があるという
患者もいる反面、日本の大学病院などでは、立証性のない、
いかがわしい治療だと、現場の医師からは無視されています。
しかし、漢方の本場では、
扶正去邪(体を元気にして病気をやっつける)や陰陽調和といった
東洋漢方独自のバランス理論に固執するだけでなく、
より科学的に成分や作用を実証していこうという、
積極的な姿勢が、これからの主流になりつつあるようなのです。

前にもこのコラムで紹介しましたが、
天仙液の開発者の王振国医師にしても、
天仙液による免疫効果や
ガン細胞のアポトーシス(自殺死)作用を実証した、
台湾大学免疫学博士の孫安迪医師や
台湾行政院(内閣)
国家衛生研究院行政所所長のョ基銘医師にしても、
「中国医学、漢方療法といえども、これからは、
エビデンス、
つまり科学的立証性を高める必要がある」と強調しています。

ちなみに、2006年1月から9月まで、
台湾の国家衛生研究院で行われた
ョ基銘医師の実験報告については、
昨年10月の来日講演で明らかにされ、
その内容は「いのちの手帖」第3月号にも掲載されていますが、
以下のような実験と結果が報告されています。
実験(1)「急性白血病細胞の増殖抑制作用」
実験(2)「乳ガン細胞の増殖抑制作用」
実験(3)「ラットによる脳腫瘍細胞の増殖抑制作用」
実験(4)「初期段階の肺ガン細胞に対する増殖抑制作用」

しかし、こうした漢方薬の立証実験は
ヒトとラットのガン細胞に対する「増殖阻害」と
「アポトーシス誘導作用」
(※ガン細胞の自殺死)の実験に止まらず、
さらに積極的に、いま話題の「ガン幹細胞」との関係を立証する
臨床前試験(マウス実験)」の段階に入ったというのです。

では、いったい、台北医学大学では、
どんな実験が行われているのでしょうか?
Xenogen IVIS System 
(非侵入式活体分子影像系統=分子造影技術)
というパソコンシステムで分析していました。
研究室のケ文炳・台北医学大学教授による
説明は以下のようなものでした。

「根源的な幹細胞と個々のガン細胞との関係が、
どう繋がっているかを解明する、
世界の4本の指に入る研究を続けています。
ガン細胞は幹細胞の指示によって
構成されていることがわかってきました。
幹細胞にプロテイン・ワクチンを投与して殺傷することで
ガン細胞も消滅することがわかってきました。
さらに、この腫瘍細胞に蛍の“蛍光体”を植え付ける方法で、
腫瘍が転移したりする経過を追跡し、分析します。
天仙液についてもクスリの効果がどうでるかを追跡中です」

といって、マウスの肺ガン細胞の変化、
消滅するメカニズムと経過を
一目でわかるようにパソコン画面上で見せてくれました。

Xenogen IVIS System(分子造影技術)
による台北医学大学の「幹細胞」実験

いずれ、ガン幹細胞に及ぼす、
漢方複合薬・天仙液の作用の
実験報告の全貌が明らかにされるのでしょうが、
隣の国では、想像以上にガン統合医療の研究が積極的になされ、
新しい患者本位の「いのち学」の研究が実ろうとしている・・・
今回の台湾訪問で、こんな感想を、僕は持ったわけです。


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2007年2月22日(木)

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