元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1659回
ガンの最新放射線療法(2)

「いのちの手帖」第3号の
第一特集「病院で聞けないホントの話」に掲載された
「頭頸部腫瘍、肺ガン、肝臓ガン・・・
『ノバリス』ほか最新・放射線治療」という
耳よりガン・レポートの話の続きです。
これは、ガン治療書の翻訳家として活躍し、
スローヘルス研究会のメンバーである
藤野邦夫さんに、これから日本でも解禁されるであろう、
ガン放射線治療法の最新情報を公開してもらったものです。
日本の医療は専門化が激しく、
ともすれば勉強不足気味の医師が多いものです。
欧米の最新治療情報なら、
翻訳家の藤野さんの方がよほど詳しいというわけです。

もちろん、藤野さん自身も、放射線による
「ブラキセラピー療法」で前立腺ガンを克服。
元気に3年目を迎えています。
「もっとも正確な照射ができる
『定位放射線手術』が大きな成果をあげています」
というのですから、脳腫瘍や喉・食道のガン、前立腺ガン、
肺ガン、肝臓ガン・・・の患者のみなさんは必読です。
内容の一部を紹介します。

        *

放射線治療の分野で、
もっとも正確な照射ができる「定位放射線手術」が、
これまで治療が不可能だったガンの領域で、
大きな成果をあげています。
患部の位置を正確に定めて維持しながら(定位)、
三次元方向から照射するこの治療法には
「ガンマナイフ」
「サイバーナイフ」「リニアックナイフ」があり、
新たに「ノバリス」が登場しました。
前の三つに「ナイフ」という名まえがついているのは、
重い合併症もなく、ナイフでえぐりとったように、
きれいに治療できることによっています。

そもそも頭部には抗ガン剤が届かない仕組みがありますので、
「原発性脳腫瘍」と、肺ガンや乳ガンなどが脳に転移した
「転移性脳腫瘍」にたいしては、
従来は手術が中心的な治療法でした。

しかし手術には重い後遺症がでることが多く、
また手術できない箇所にある病巣も少なくありませんでした。
ところが、ガンマナイフは201個のガンマ線源からでる
1000本もの細かいビームを、病巣の形に正確に一致させ、
0.3ミリという誤差で治療する方法です。
おかげで手術が不可能だった箇所や深い病巣でも、
ほかの組織に影響をあたえずに治療できるようになりました。

ところで、ガンがひとたび脳に転移しますと、
記憶障害、視覚障害、運動障害などが起こり、
人格も変わりがちになります。
しかし、ガンは神経細胞になじまないので、
脳内で境目がくっきりしているため、
正確に位置を定めて、強い放射線を浴びせることができるのです。
この治療法では、入院しない治療もできますが、
通常は三日間入院して、治療の当日に局所麻酔を受け、
目盛りのついた金属製のフレームを頭に固定されます。
このあとCT、MRI、脳血管撮影などの検査をし、
まわりの脳との位置関係を確認しながら線量が決められます。
こうして治療が始まりますが、問題になるような痛みもなく、
翌日には日常生活ができるようになります。

一回照射が原則で、治療時間は数分から十数分。
経費は50万円で、保険が適用されますので、
三割負担でも15万円ですみ、
高額医療の適応を受けることもできます。
脳に腫瘍が転移すると、絶望的だと思う人が少なくないようですが、
脳にガンマナイフなどの治療を受けて、
10年以上元気で暮らしている人がたくさんいます。


←前回記事へ

2007年3月13日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ