元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1665回
越冬迎春――これがガン延命法の基本だ

すっかり、春めいてきました。
前回紹介した、ルカ病院ルーククリニックの竹内晃院長の
「がんと温熱」の話ではありませんが、
心身の冷えが、ガンの患者にとってはもっとも怖い大敵なのです。
僕もガン病棟を逃げ出してから、9回目の桜の季節を迎えますが、
厳寒の冬を過ぎて、櫻の季節になると
「やれやれ、風邪も引かずに、この冬もうまく乗り切った」と
ほっと胸をなでおろすものです。

最近は、ガンの患者さんが増えて、
盛んに、テレビなどでも、有名無名の方々の
闘病ドキュメントが放映されています。
大抵が、新しい手術法、
さらに最新の抗ガン剤や放射線治療を求めて、
疼痛と副作用に苦しみながら
病院から病院を彷徨う(さまよう)、
患者の日々を追うものが多いようです。
再発と転移におびえる患者さんとご家族の心労は、
それは他人に明かせないほどつらいものです。

しかし、このコラムでも何度も何度も書いていますが、
ガン患者は「壊れた機械ではありません」。
ただ、臓器の局所を「切ったり」
「叩いたり」「焼いたり」しただけでは、
一時は、消えたように見えても、
血液やリンパ液を通じて、
またぞろ、隣の部位や、他の臓器に、頭をもたげてきます。

こうした、大学病院の「標準治療」は
応急処置として必要でしょうが、
「突発性老化病」ともいえるガン治療の基本は、
局所を叩くだけでなく、心身全体の免疫力を高め、
ガンの侵食に負けない、
バランスのよい体質改善を図ることが大切なのです。
僕もそうでしたが、再発不安に襲われると、
なにか「ガン新薬はないか?」と血眼になって探すわけですが、
やがて、一発完治の「神の手のような手術」も
「魔法の弾丸薬」もないことが、分かってきます。

眦(まなじり)を決して手術に身を任せる・・・、
何度も何度も劇薬の大量抗ガン剤にわが身を晒す・・・、
こうしたことに闘病の“生き甲斐”を見出して、
苦心惨憺している人が多いわけです。

しかし、ガンとは、切り傷や感染症とは違う、
心身全身の老化病といいますか
“いのち全体の劣化”を伴う病気ですから、
ガン細胞のみならず、正常細胞も叩く
臓器レベル治療だけに身を晒すことは、
じつは「死を早める」ことを意味していると、僕は思っています。

患者は「ガンと闘う」、
いや「ガンと上手に共生する」ことはあっても、
「惨いガン治療と心中する」
「ガン治療で死を早める」ことだけは、
避けるべきだ・・・と体感しております。

人間それぞれに考え方があり、
受けてきた教育や家庭環境が違うわけですから、
「あくまでもメスや化学劇薬にすがるか」、
「ホリスティックな医療を目指すか」・・・、
どちらの道を選んでも自由なわけですが、
長年、しつこいガンと付き合ってきて分かったことは、
「ガンと上手に付き合う」
「ガンと引き分けでもいいじゃないか」
という患者の賢い知恵です。

闘病の中で明るい希望が見えて、トキメイてくると
よく「春を迎えた」ようだと表現しますが、
まさに、ガンの闘病もその通りなんです。
「越冬迎春」――、いかに「上手に冬を越えて春を迎える」か、
「からだの冷え」を避けて心身を温かくバランスよく保つか?
「風邪を引かないようにからだを温めよう」――、
この誰にでもわかる考え方こそ、ガン延命法の基本なのです。


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2007年3月19日(月)

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