元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1680回
なぜ、いまドイツ植物療法が注目か?

先日、3月25(日)、ドイツ連邦政府医薬品・
医療機器庁E委員会・元副委員長という
医薬品審査の権威で、植物療法(フィトセラピー)に詳しい、
医学・薬学博士のハインツ・シルヒャー氏が来日。
「ドイツおよびヨーロッパの自然療法の現状と今後の展開」
と題する
第9回・21世紀国際健康フォーラムが
東京平河町の星陵会館で開かれました。
(主催・日本レホルムアカデミー協会  
協力・日本ノイホルム研究会ほか、
後援・ドイツ大使館 ドイツ商工会議所)

ちなみにシルヒャー博士は「植物製剤・規格化の父」として
世界的に知られている方で、
大統領から永年に亘る研究が評価されて、
功労十字勲章一等を授与されています。

第一部が、シルヒャー博士の基調講演。
第二部が、パネルディスカッションで、
ホリスティック医療や自然療法、植物療法に詳しい
日本の3先生=川嶋朗氏、池谷敏郎氏、大島櫻彩氏が登壇。
僕が司会、コーディネートをして、
「日本における自然療法の現状と今後」、
さらに「ドイツ医療改革に学ぶ、
日本の医療制度のこれから」について討論しました。

第一部の演題は、ドイツにおける
「ハーブやプロポリスなどの植物療法(Phytotherapy)」
の現状解説なのですが、
シルヒャー博士の講演を聞くことによって、
ドイツの医療改革=レホルム(reform)のシステムが、
いかに論理的になされたか?
いかに立証的に分類されてきたか?
さらに、日本では医薬品として認められていない、
ハーブの一部やプロポリスといった植物療法の製品が、
いかに医薬品として国家から認証されたか? 
この発想の秘密も分かります。

曖昧模糊とした日本の医療健康システムと違って、
いかに「日独」の差が大きいかということに驚かされます。
植物療法やハーブ濃縮エキスのよさだけでなく、
医療制度そのものの根本的な考え方が違う。
「ハーブなど薬にあらず、食品だ」とする、
医療後進国の僕たちが聞くと、
目からウロコが落ちるような話です。

シルヒャー博士の演題は、 
「ドイツおよびヨーロッパの自然療法の現状と今後の展開」で、
前半が
「ドイツとヨーロッパの植物療法
(フィトテラピー)現状と将来像)」
後半が
「ハーブ濃縮エキスに関する最新の研究報告」
というものです。
日本とは違う「ドイツ植物療法」の現状を聞くことによって、
ドイツの医療制度の根本発想が、いかに論理的で、立証的で、
分類的か? その核心が分かります。
ドイツでは(日本とは違って)、ハーブなどの植物製品には、
合理的植物製剤と分類されるジャンルのものがあり、
厳格な審査のもとに、約2100種類が医薬製剤として
公認されています。
ハーブやアロマセラピーなどの植物療法に関心のある人に限らず、
ホリスティックな健康情報に関心のある人、
患者さん、家族のみなさんはもちろん、
セラピスト、医療関係者、営業関係者にも、とても参考になります。
以下、専門的用語も出てきますので、なるべく箇条書きにしながら、
分かり易く紹介していきたいと思います。

           *

【シルヒャー博士の講演内容】
「ドイツとヨーロッパの植物療法
(フィトテラピー)の現状と将来像」
ドイツの植物製剤は品質、効果、
安全の面から5つのグループに分けられます。
●ドイツの植物製剤の区分について
(1)合理的植物製剤
(2)伝統的植物製剤
(3)代替療法に使用される植物製剤
(4)トランスカルチャー(多民族文化)療法に使用される植物製剤、
つまり、アーユルヴェーダ、漢方、チベット医学など
(5)栄養補助食品
さらに品質で4つのカテゴリーに分けられます。


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2007年4月3日(火)

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