元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1679回
目からウロコの「ドイツ医療改革」

前回、いま問題になっている
「納豆番組」と「タミフル騒動」を取り上げ、
日本の医薬品にしても健康食品にしても、
こんなあいまいなシステムでよいのだろうか――、
医・薬・官の癒着による
旧態依然とした情報閉鎖は問題ではないか――、
その品質と安全性について、より論理的に、
ホリスティックに、「分類化」「制度化」すべきだ――、
という問題提起をしてきました。

この長寿時代を迎えて、ガンにしても、慢性病、感染難病にしても
なんとかそれを乗り越えようとしている
患者と家族からしてみれば、
なんとも現代医学の治療も制度も
頼りないと思っているのではないか?

僕は、最近、「患者のいのち」に対する意識が
どんどん「進化」して来ている反面、
この130年間に守られてきた日本の医療システムが
「退化」していると思うようになっています。
遅々と進まない医療改革を待っていたのでは、
こちらの寿命が持たないよ!とでもいいたくなる心境です。

ちょっと、極論とはなりますが、
ガンのような長寿社会特有の生活習慣難病には、
ただ「切る」「叩く」「焼く」といった、
西洋標準治療に頑迷固陋にしがみつくのではなく、
可能性のある療法ならば、代替補完療法でも
サプリメントでも「医師は貪欲にとりいれるべき」
というのが僕の持論です。
これからは長寿福祉社会などと、さかんに喧伝されていますが、
私たちの「健康維持学」や「いのち学」が
崩壊し始めているといってもいいでしょう。

しかし、患者が嘆いたり、怒っていてばかりいたのでは、
納得した治療も、悔いのない人生も掴めません。
複雑にして、硬直した、いまの日本の医療制度、薬事制度が、
「本当に患者のためのいのち学」になっているのか? 
メディアの堕落だけでなく、
健康維持システムの発想、そのものが硬直化していることに、
多くの難病患者と家族は気づいてきたのではないでしょうか?

このコラムや「いのちの手帖」で繰り返して提案していますが、
医療後進性のウラを見抜く「自分が主役」の賢い健康学の知恵が
ますます必要な時代になってきたと思います。

ところで、先日、3月25(日)、ドイツ連邦政府医薬品・
医療機器庁E委員会・元副委員長という
医薬品審査の権威で、植物療法に詳しい、
医学・薬学博士のハインツ・シルヒャー氏が来日。
「ドイツおよびヨーロッパの自然療法の現状と今後の展開」
と題する
第9回・21世紀国際健康フォーラムが、
東京平河町の星陵会館で開かれました。

第一部が、シルヒャー博士の基調講演。
第二部が、パネルディスカッションで、
ホリスティック医療や自然療法、植物療法に詳しい
日本の3先生=川嶋朗氏、池谷敏郎氏、大島櫻彩氏が登壇。
僕が司会をして、「日本における自然療法の現状と今後」、
さらに「ドイツ医療改革に学ぶ、
日本の医療制度のこれから」について討論しました。

全体のテーマは
「ハーブなどの植物療法(Phytotherapy)から提案する
ドイツ医療改革=レホルム(reform)の現状と将来像」
というものですが、、
シルヒャー博士が明かす、ドイツの医療改革の発想は、
じつに論理的で分類的なもので、医療後進国の僕たちが聞くと、
目からウロコが落ちるような話で、とても感動しました。

僕の勝手な思い込みもあるでしょうが、
この50年、100年で構築され、
いまドイツで実施されている
医薬品と健康食品に関わる品質管理と安全性のシステムは、
これからの日本の医療改革させる=レホルム(reform)させる、
貴重なヒントが隠されている――と感じましたので、
明日から、このシルヒャー博士の2時間に渡る講演内容の
ポイントを紹介しましょう。


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2007年4月2日(月)

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