元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1705回
40歳を越えたら「心魂本」を読もう

前回、作家・五木寛之さんと医師・帯津良一さんの近刊
「健康問答」(平凡社)という対談本の後半に展開される、
帯津さんの「魂の帰還論」、
五木さんの「魂の循環論」を紹介しておきました。
さすが生老病死の修羅場を乗り越え、時空を馳せ巡る、
人生の達人のおふたりです。
この壮大な「いのちの旅路」論を読んでみれば、
きっと、あなたの魂が不思議なトキメキに、
エンパシー(共鳴)するはずです。
病気や死の恐怖に悩む人ばかりでなく、
とくに人生後半を迎える方々は読んでみてください。

あまり、魂とかスピリッツとか、超能力とかの話をすると、
この著者は、ガンの長患いで、
頭までおかしくなってきたのではないかと
失笑する人もいるかも知れませんが、
近代医学といいますか、現代科学の粋を持ってしても、
複雑ないのち謎も、ガンのようなミステリアスな病気の治療法も
追いつかなくなっていることが、分かってきたいま、
いのちを、ただ機械のように扱う”常識“では、
ますます患者や家族を
「不安と不信」の奈落に落としこんでいくと、
僕は体験的に痛感しているわけです。
別に、難病患者は、神がかりの宗教心、信心を起こせなどと
野暮なことをいっているわけではありません。

とくに、40歳を越えたら、20代、30代と違って、
お金や出世、ITマニュアルといった
”物欲本”だけに目を凝らすのではなく、
青少年期にちょっとは読んだ経験もあるはずの、
目に見えない世界に関わる“心魂本”を読んでみましょう。
若いころと違って、
喜怒哀楽もより深く体験しているわけですから、
昔読んだ本を再読しても、
見えるポイントが変わってくると思います。
お手軽なスピリチャル漫画本や占い本といったものではなく、
少し難解と思われる古典的な学究本や小説も読んでおくことは、
ガンのような心身全体を蝕む難病を乗り越えていくには、
とても滋養になる、知恵がつく、
勇気が湧くことだと体験的に痛感しています。
そうした意味からも、五木寛之さんと医師・帯津良一さんの
近刊「健康問答」(平凡社)は、ただの「健康実用書」ではなく、
とても読みやすい「心魂本」の入門書ではないか?
僕たちを、ホリスティックに活性化させる
トリガーとなることは間違いありません。

さて、では、なぜ40歳を越えたら
スピリチャルな面を思い起こすべきか?
なぜ40歳を越えた中年の患者や家族は、
「心魂本」を読むべきか?

以下は、僕の勝手な考え方ですから、賛否は自由です。
まえにこのコラムや拙著「ガン延命学新書」で
「40歳からの魂進化論」について書いたことがありますので、
覚えている人もいるかも知れません。

この「40歳を超えた中高年層」から、
人間の魂や霊魂といわれる
スピリチャルなものが成長進化する――、
という「成人の発達段階」を説いたのは、
バーナード・リーヴァフッド(Bernard Lievegoed)という、
オランダの精神科医、教育者で、人智学者です。
半世紀の臨床診療の結果、
人間の神秘性は生物学的発達だけでは解けないとして、
年齢の各ステージに起こる内部特性を観察し、
「Phases―The Spiritual Rhythms in Adult Life」
(段階―成人期のスピリチャルなリズム)
という著書で分析しました。

人智学(anthroposophy)では、
「成人期の発達段階」には3つの流れがあるという考え方です。
人間は(1)身体 (2)精神 (3)魂・・・の
3層によって構成されていると考えます。
そして、以下のように、成長発達するというのです。
(1)身体(生物学的発達)(2)精神(心理学的発達)は、
ともに、20歳頃ころまでに成長し、
40歳まで平衡状態が続き、40歳ころから衰えていく・・・。
それに引き換え、魂(スピリチャルな発達)は
40歳ころから進化する、成長が始まるというのです。


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2007年4月28日(土)

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