元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1751回
五木さんVS帯津さんの問答集の反響(1)

まえに、このコラムで作家の五木寛之さんと帯津良一医師の
ベストセラー書「健康問答」について紹介しました。

「いまの日本で、おそらく生業的な固定観念に縛られず、
“複雑系”のいのちの謎を、いわば“直感系”で、
多彩に語れる人は、このふたりをおいてない――、
そうした待望の顔合わせの「現代養生訓」ともいえる
対談集だ」と、僕は評価したわけですが、
いま盛んに、マスコミ誌がおふたりの対談を特集しています。

「健康こそ宝」――、まさに長寿難病時代といいますか、
わが身の「いのち」、
わが家族の「いのち」への関心が高まっている。
さらに、多くの人たちが、機械修理のような
西洋医学の限界に気づいたためでしょう。
薬漬け、検査漬けのマニュアル風の医学本より、
身・魂・心の人間のいのちに丸ごと迫る、
より人間らしい発想本に関心が高まっているのだと思います。

すでに読んだ方も多いでしょうが、
僕の手元にも、この本を取り上げた、
ふたつの雑誌が送られてきましたので、
その後の反響の凄さについて少し書いておきましょう。

ひとつは「週刊ポスト」1 6月8日号です。
巻末特集として、五木寛之VS帯津三敬病院・名誉院長 帯津良一――
「いのちの時代を生き抜く知恵」
という対談特集が組まれていました。
酒、ビタミン、水の効用、
そして、メタボリックシンドロームからストレス、ガンまでの
医療迷信を覆して、おふたりが長年の実感体感から組み立てきた
逆転の発想ともいうべき「しなやかな養生理論」を
縦横に提案しておられますから、
“白い巨塔”に閉じこもって実験マニュアルに汲々としている、
多くの医師たちの話より説得力があることはいうまでもありません。
            *

五木 私はがんは老化の一つだと思うから、
早期発見して長く闘病生活を続けるよりも、後期発見というか、
末期発見の方が良いと持っています。
発見されるまで気持ちよく生きている人が
たくさんいるわけですからね。

帯津 私も神経質になって何回も
検診を受ける気にはなりませんね。
あるがままに任せておいて
自然に消えていくこともありますからね。

五木 とはいえ奇跡を期待するだけではいけません。
老化が治るということはあり得ない。
だから私は「治る(なおる)」という字を
「治める(おさめる)」と読んでいます。(略)

        *

どうでしょうか? これまでの医療常識を覆す、
じつに柔軟な発想やいのちの知恵が
たっぷり詰まっていると思いませんか?
おふたりの近著「健康問答」に続いて公開されてる
雑誌の「いのちの対談特集」も併せて読んでみましょう。
ちなみに、週刊ポストは編集長が粂田昌志さんに代わって、
いま誌面刷新中ということで、
従来の政治経済やスポーツ芸能に限らず、
テーマを人間のライフスタイルの深奥まで掘り下げようと
これからは「いのち」の問題にも力をいれるとのことです。

さて、週刊ポストの対談記事は、とくに、
「体感を大切にするいのち学」問答に視点を絞って
構成されたものだと思ますが、
もう一つ、僕の手元に送られてきた雑誌の方には、
「こころを大切にするいのち学」として特集されていました。

その雑誌とは「文藝春秋」SPECIAL夏号2で、
五木寛之×帯津良一「心の時代を生きる 日本人と宗教」
――「心の時代」の医療とは
医学と宗教は本来不可分だった。
「心」を診る医療がいま求められている
――というタイトルでした。


1  http://www.weeklypost.com/
2  http://www.bunshun.co.jp


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2007年6月13日(水)

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