元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1752回
五木さんVS帯津さんの問答集の反響(2)

話題の書! 作家の五木寛之さんと帯津良一医師の
ベストセラー書「健康問答」と、
その反響について対談特集で取り上げた
マスコミ2誌の話の続きです。

ひとつはこの本を「体感を大切にするいのち学」として紹介した
週刊ポスト1 6月8日号の対談。
もうひとつは「こころを大切にするいのち学」として構成された
「文藝春秋」※2SPECIAL夏号の対談です。

「文藝春秋」に掲載されたものは、
五木寛之×帯津良一「心の時代を生きる 日本人と宗教」
――「心の時代」の医療とは
医学と宗教は本来不可分だった。
「心」を診る医療がいま求められている――というタイトルでした。

             *

五木 偉いものですねえ。
仏教というのは宗教だけでなくカルチャー丸ごとでしょう。
お寺の建築から豆腐、ゴマ、味噌などの食べ物、薬草の知識まで、
まとまって入ってきたわけですからね。(略)
宗教と医療は本来深い関係にあるんでしょう。

帯津 そうですね。
医学は人間の身体を対象にしているだけでなくて、
心も含まれる。その意味で医学は本来、宗教なんです。

五木 人間の「心」の場所も昔と今では変わってきた。
昔は、肚(はら)が座っているとか腹黒いとかいって、
心は下半身にあったと思うんです。
近代になるとハート。
心は胸にある、心臓にあるということになった。現代は脳です。
頭に来ているといっては悪いけど、
時代と共に人間の心の在り処は
上へ上へと上がってきているんです。
そろそろ心の場所を下げる必要があるのではないですか。

帯津 ええ、丹田のあたりまで下ろさないといけないですね。

          *

この対談は、じつに平易で、
的を得た「いのち学」問答と思いませんか?
ともすれば、いのちやガン治療の問題を、
科学的と称して、まるで機械修理のように扱いがちな、
いまの医学界、マスコミ界の“常識”に警鐘を鳴らし、
じつに人間的な柔軟な発想を
分かりやすく提示していると思います。
ガンといった、
いのち丸ごとの難病に襲われた患者さんや家族の方は、
ぜひ、話題書「健康問答」のみならず、
その反響を掲載した雑誌も読んでみましょう。
きっと、希望に満ちた人生の再設計が編み出されるはずです。

この雑誌の編集長の飯沼康司さんは、
スローヘルス研究会にもときおり顔を見せてくれる方ですが、
ちなみに「文藝春秋」SPECIALは、ことしから臨時増刊号から、
年4回発行の季刊誌となったそうです。
いのちや養生についての
興味深い特集号をもう何度も出版しています。
その飯沼さん、WEB上で、月刊文芸春秋との違いについて
以下のように表明しています。
「 論ではなく物語を――  
「月刊の文藝春秋でトップの論文にはならないけれど
読んで面白い記事を集めて
一冊作ろうじゃないか、というのが臨時増刊の出発点なのです。
現在の文藝春秋特別版臨時増刊の編集部ができたのは平成13年。
平成17年からは春夏秋冬年四冊発行とし、
これまでに「昭和と私 激動の時代を語り継ぐ」
「一冊の本が人生を変える」
「司馬遼太郎ふたたび 日本人を考える旅へ」
「心と身体の処方箋」
「私が愛する日本」「教育の力を取り戻す」
などの特集号を出してきました
臨時増刊のコンセプト、月刊文藝春秋とのちがいは何か、
といえば「論ではなく物語を」ということでしょうか。
文藝春秋が政治・経済・社会の諸事に亘って
批評し論じるとすれば、
臨時増刊はその人の体験を語ってもらう。」

文芸春秋や週刊ポストといった日本を代表するマスコミ雑誌が、
この長寿時代、少子高齢化時代を、
ただ扇情的にはやし立てるのではなく、
身・魂・心の人間丸ごとの「いのち学」の視野から
取り上げるようになったことは、とても嬉しいことだと思います。


1  http://www.weeklypost.com/
2  http://www.bunshun.co.jp


←前回記事へ

2007年6月14日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ