元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1772回
ひどい「欝病」を治すには

「癌なる字読みも字面も凶々(まがまが)し
欝という字と双璧をなす」(内田勝さんの「病床楽吟」より)

「癌」と双璧をなす「鬱」病という、
慢性難病の克服法はあるのか?について、
話を進めますが、これまた、小難しい医学理論や、
大学病院の医師の説教より
聞く耳に値する体験秘話がありますので、紹介します。
すでに「いのちの手帖」第3号を購入した人は、
読んだかもしれませんが、中に、以下のようなエッセイがあります。

●特集1・病院で聞けないホントの話!
1日10メートルの歩行、1日1ミリの開脚!
わが「ウツ病」脱出記

寄稿していただいたのは、やはり、ジャーナリストの同輩で、
「女性自身」とか「微笑」といった、華々しい女性雑誌の編集や
編集長をされてきた中川善雄さんで、
いまはリタイアして悠々自適の生活を楽しんでいる人です。
これぞ、事実は小説より奇なり、
患者は医師より賢し・・・を証明するような、
「重症の欝病」を克服した驚異の闘病録ですから、
HIQのコラムでも一挙、再録させてもらいます。

             *

「ちょっとタバコを買いに行ってくる」といって、
家から100メートルほどのタバコ屋に行くにも、
車を運転して行っていました。
「あなたはほんとうに車人間ね」と
女房にいつも呆れたように言われていました。
その位、歩かない毎日でした。

いまから20年程前――、私が45歳の頃でした。
私は出版社に勤めていて、編集の仕事をしていました。
タバコは一日4〜5箱のヘビースモーカー。
仕事が終わっても、すぐに帰らず飲みに行ったり、
麻雀をしたり・・・。
帰りは都心から横浜の自宅まで、
毎日のようにタクシーでご帰館、という生活を、
そのときすでに20年近く続けていました。

40歳を過ぎた頃、体がひどく疲れやすくなり、
時々のどのあたりに鉛の玉がつかえたような症状が出てきました。
しかし、夜になって酒を飲むと
スーッとその玉が消えてしまいます。
不整脈が出て検査を受けても「別に心配ない」と言う診断。
そんなことを繰り返していた45歳の晩秋、
私は会社で仕事中に手足が冷え、呼吸が出来ない症状になり、
車を呼んでもらって早退しました。
家に入るなりその場に倒れてしまって動けなくなりました。
翌日、大学病院に行くとすぐ入院。
あちこち検査をしましたが、機能に異常なし。

そして担当医の診断は「仮面鬱病」。
その病名のおどろおどろしさ、
凶々しさにいささか驚きました。
いまでこそ「ウツ病は心の風邪」などと軽い感じで、
「私もウツ病でした」といった告白がメディアに溢れていますが、
20年前は隠したい、恥ずかしい病気のようでした。
精神科医だった私の叔父が会社に提出する診断書の病名を見て
「これではだめだ」と病院にクレームをつけ
「自律神経失調症」という病名に
変更させてしまうといったこともありました。

         *

続きは、また明日。


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2007年7月4日(水)

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