元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1802回
中国株=邱永漢さんの先見の明

前回、ちょっと話が脱線して、
中国株の話を書いてしまいましたが、
「柚子(ゆず)の18年」の格言ならぬ、
邱永漢さんの「中国株の大予言18年」はまさに先見の明でした。

ちなみに中国株は、
これまで何回も急騰と急落を繰り返しましたが、
全体的には3倍、5倍、10倍と急成長の道を辿っています。
その都度、適宜、
何割か利益確定をしながら余禄に預かってきました。
僕も昔、出版社に頼まれて何冊か『中国株で大成金』
といった本を書いてベストセラーにも入ったことがあります。
しかし、ある日、あわてものの雑誌にどうしてもと頼まれて
コメントを出したところ、その社の幹部から
「こんないかがわしい記事は載せるな」と
編集長が叱り飛ばされたとか、
そんなアホな話もあったりしまして、
別に「儲けたくない人にまで迷惑はかけることはないなあ」と、
もう株の本を書くのはやめました。

中国株をやりたければ、
下手なテクニカル投資本や株価予想記事より、
もはや、投資の先達である邱さんの本や
HIQのコラムを読めば済むからです。
もちろん、お金の流れも人生も一様ではありません。
一進一退があります。
そんなことは、いい大人なら分かっていることですから、
大方のインターネット個人投資家がしているように、
これからも邱さんの「長い目」の指針に素直に耳を傾ければ
投資は正解だと僕は思っています。
まさに、いのちの世界はもちろん、お金の世界も
「桃栗3年柿8年、枇杷(びわ)は9年で、
柚子(ゆず)は18年」――なのですね。

それにしても、
邱さんのこの18年にわたる中国株予言とは凄いものでした。
「長い目」で中国株投資をし、
「長い目」でHIQを読み続けてきた人ならそれは分かるはずです。
以下、僕が覚えている邱さんの「長い目」の予言だけでも
みなさんと一緒に検証しておきましょう。

         *

●「日本のチャイナ・ウオッチャーの多くが、
1997年の返還を境に、
香港がゴースト・タウンになると予言したのに対して、
私は『中国の経済の発展は中国の香港化からはじまる』と
異を唱えたことがあります」( 2002年1月13日掲載)

●「何を買うかというと、相場を買うということではなく
成長を買うのが一番安全です。
いま安いからといって買うのも、もちろん株の買い方ですけど、
同じ買い方をする場合でも
成長する会社の株が下がっている時に買うことです。
誰も気が付かなくて自分だけが気が付いた株が
上がってくれるなんて事はお考えにならない方がいいと思います」
(2004年7月17日掲載)

●「19年前、私がはじめて中国を訪れて、
北京でかつて四つの経済特区を発案した
副総理の谷牧さんと人民大会堂で会見したした時、
『将来、中国の経済が発展したら、
観光業は中国の稼ぎ頭の一つになりますね』と言ったら、
『本当に私もそう考えているのですよ』
と相槌を打たれたことがあります」
(2007年6月19日掲載)

「お金というのは
一つの所にとどまっているものではありません。
どこへでも走り回れるようになっています。
通れない所があれば、蝶々に化けたり、
モグラに化けたりして出て行くこともできるんです。
ですから過剰流動性の影響は中国国内だけと考えるのは間違いで、
お金は溢れて香港にも出てきますし、
もっと遠くにも行くことができます。
中国政府も一人当り30万元の海外投資を認める、
という政策を最近、打ち出しておりますから、
過剰流動性の影響は当然外国にも及びます」
(2007年6月13日掲載)

         *

さて、邱さんの長期にわたるご託宣の通り、
中国マネーをめぐる「過剰流動性」の荒波は、
しばらくは、おさまらないでしょうが、
お金の流れにしても、人生にしてもしかりでしょう。
「長い目を存分に楽しんでよかった」、
「長生きしてよかった」――、
これからは、そんなゆったりした
人生設計をしていきたいものですね。


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2007年8月3日(金)

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