元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1804回
経鼻内視鏡って何?

ガン腫瘍マーカーの血液検査を受けたが、
SECの値が2.5とちょっと高いというので、
CTと超音波と内視鏡検査をすすめられた――、
でも、あの喉チンコの奥をえぐられるような苦しくて不愉快な
内視鏡検査はどうしてもいやだった――
ところが、看護師さんが、
いまは、鼻の穴から細い管を通して調べる
「経鼻内視鏡」がありますから、苦しくありませんという――、
先日、ガンが再発しているかどうかを
調べたときの検査の顛末の話の続きです。

というわけで、痛くない、不快ではないというのであれば、
医療器具の進歩を知るのもいいかな・・・
と自分を納得させて検査を受けました。
ちなみに「経鼻内視鏡」とはなにか?
担当の先生の話をまとめると以下のようになります。

「鼻から内視鏡を挿入して
食道、胃、十二指腸など上部消化管を検査する方法が
経鼻内視鏡です。
口から挿入する経口内視鏡検査ですと、
直径1センチの太さの内視鏡を挿入するわけで、
舌や喉を刺激し咽頭反射を起こすという難点があって、
患者さんが苦痛を感じたわけです。
経鼻内視鏡では、吐き気がほとんどなく口も自由になるため、
患者は検査の最中に自分の消化管の状態を確認しながら、
医師と会話をすることもできますよ」と。
そして、なんとしても納得したのは、
経鼻内視鏡の直径が半分近く細くなり、
わずか5.9mmに改善されたと見せてくれたことでした。

僕が、なぜ、これほどまでに、
喉から食道に通す、内視鏡を嫌うかといいますと、
8年前に、放射線の腔内照射
(ラルストロン療法)を5回ほど受けたのですが、
これは、経口内視鏡より太くて硬い管を
喉から食道に通すもので、
そのたびに、しゃっくりが止まらなくなるほどの
吐き気と不快な苦痛を喉の奥に感じ、もう二度と、
食道に管は通したくないと思っていたからです。

ちなみに、経口内視鏡だと、
なぜ吐き気や不快な苦痛を喉の奥に感じるかといいますと、
ただ管が太いからというだけではなく、
管が喉のカーブを曲がる時に
舌の根元をこすって咽頭後壁を圧迫。
舌咽・迷走両神経を刺激して、
オエーッといった吐き気を起こすというわけです。
鼻から細い管をいれる経鼻内視鏡であれば、
舌の根元や咽頭後壁を傷めることはないというわけです。

もちろん、検査の前に、局所血管収縮剤や局所麻酔薬を
やはり鼻腔からスプレーされたりしますから、
どうもあまり気分のよいものではありませんが、
内視鏡の通りもスムーズですし、
モニターを見て、
自分の目でもその様子を確かめることができます。
なんといっても、口は自由になっていますから、
先生にもいろいろ注文できるのはありがたいことでした。

とにかく、内視鏡検査というと、
管の長さが十二指腸まで届くようにできていますから、
たとえ食道の検査でも、病院は胃も十二指腸も検査して、
細胞を採取しますから、苦痛はさらに重なり、時間もかかります。
ですから、
「先生、十二指腸までサービスして検査しないで下さいね」
と口で注文できたのは幸いでした。
とにかく、
自分の体は自分がよく分かっている部分もありますから、
無用の苦痛を味合わないためにも、
たとえ、検査中でも、治療中でも、
勇気を持って、自分の望むことを伝えることは、
ガン患者の基本の心得だと僕は思っています。


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2007年8月5日(日)

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