元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1820回
健康診断義務化を疑う!

僕は1週間経っても、
内視鏡検査の「痛みの後遺症」から立ち直れなかった――、
いまや常識化する薬漬け、検査漬けは問題だ――、
という話の続きです。

そんな腹に「傷を抱えて」苦しんでいる最中、
まえから約束していて、
ちょっと聞きたい健康セミナーがあったので、
出かけていきました。
「健康フォーラム2007〜食による免疫力向上とアンチエイジング」
というもので、
日本食品機能研究会(JAFRA)1が主宰するものでした。
このセミナーは、機能性食品などを未病の段階で服用して、
日ごろから免疫力を高めることが、いかにガン防止ばかりか、
延命効果をますか――、という、
じつに興味深い話で、僕自身、このセミナーでもすすめられている
米ぬかアラビノキシラン=バイオブランの愛用者でしたから、
とても養生の参考になりました。

ちなみに、このセミナーは7月29日(日)、
東京丸の内・丸ビルホールで開かれ、
以下のような医師たちによって講演が行われました。
●「抗炎症とアンチエイジング」
(浜松医科大学講師 遠藤雄三氏)、
●「健康長寿の秘訣」(東京大学名誉教授光岡 知足氏)、
●「健康診断義務化時代の未病のがん対策」
(博慈会老人病研究所所長福生 吉裕氏)、
●「免疫力向上における機能性食品の評価」
(UCLA Drew医科大学教授 M.ゴーナム氏)

この四つの講演はどれも、
データが豊富で分かりやすいものでした。
とくに、興味を持ったのが、福生吉裕氏の
「健康診断義務化時代の未病のがん対策」という講演でした。
話の趣旨は、健康と病気は連続しているものだから、
ガンも未病の時期で防止することが大切だというもの。
つまり、自覚症状を大切にすること、
自らの免疫力アップを図ることが必要だという話です。
マウス実験で、音のストレスなどを与えると、
免疫力が低下して胸腺が萎縮する実験結果、
そして、「この免疫力の指標となる
胸腺の重さが、人間の場合、10歳で30グラムあるのに、
70歳〜80歳で10グラムに萎縮してしまう」こと、
さらに「ガンの患者とえども、
死ぬときはガンそのものというより、
ウィルスなどによる感染症による。
だから、自然免疫力を高めることがこれからは大切だ」
という話は、なるほど説得力のあるものでした。

僕は、多くのガンの仲間が、最後は、風邪を引いて、
死を急いだ姿を何人も見てきましたから、
「風邪を引くな」「からだを冷やして免疫力を落すな」と
自分にも言い聞かせてきましたから、
この話に興味を持ったのです。

ところで、もう一つ、
福生医師の講演で気になったことがありました。
「来年、2008年から健康診断を義務化すると
厚生労働省が決めた」という話です。
べつに、免疫講演の導入のエピソード
として触れられたに過ぎませんが、
検査漬けの「後遺症」を抱えながら出席していた僕としては、
「えーっ? そんなことが決まっていたの?」
とビックリしたのです。
あなたは知っていましたか?

ちょっと聞いただけならば、
国民の健康を守る結構な話ではないか!
と歓迎したくなるでしょうが、
あとで、調べて見ると、メタボリック症候群の中年が増えて、
国庫にもむだな医療費負担がかかってくるので
厚生労働省が、保険団体や企業に
40歳以上は「健康診断を義務化せよ」
と指令した話のようなのです。

ほんとうに、
いまの医療制度って患者の立場で発想しているのかなあ?
ますます「患者を壊れた機械」とする
「機械偏重医療=ロボット修理医療」
制度が蔓延するのは困ったものだ――、
と、僕は「内視鏡検査」の後遺症で痛む腹をさすりながら痛感。
「自己免疫力」を高める話を、有り難く拝聴したことになりました。

1 http://www.jafra.gr.jp/index1.html


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2007年8月21日(火)

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