元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1898回
「切らない!」ガンの選択肢

たとえば、ガンが再発した、転移した、
他の臓器に潰瘍が原発したなどというと、
どこの病院でも決まって、
「機械修理式」のガン治療ガイドラインに沿って、
メスを振りかざし、早めに局部を切り取りましょうと
手術をすすめます。手術ができなければ、
強力な抗ガン剤か放射線を
大量に連続して叩き込むような荒治療をすすめます。

ガンは、いわば全身の免疫力バランスが影響する
「突発性老化病」と思った方が早い病気ですから、
怪我や切り傷を切ったり、叩いたりするような
機械的治療では、すべて対応できないのです。

はたして、この長寿過食時代の「老化病」ともいえるガンを
こんな旧態依然とした「切り傷」でも治すような発想で
対処していって済むものなのでしょうか?
ただ検査数値だけを見て、
機械的にメスをふるい、化学薬を大量に投入しまくる・・・
こうした「病人を診ない」治療を、
標準治療、エビデンス治療として
患者はただ有り難がっていてよいのでしょうか?

もちろん、僕にしても、
9年前に初めて食道ガンと宣告されたときは、
かなりオロオロと狼狽して、
「先生、治るものでしたら手術でも抗ガン剤でもなんでも
お願いします」とあわてたものです。

しかし、9年前のように、僕ももはや
「ガンの幼稚園生」ではありませんから、
いまのガン治療の限界や医療制度の欠陥が分かってきて、
「一発で完治する薬などない」「魔法の弾丸薬などない」
「神ワザの手術などない」ということも
分かってきましたから、日ごろの食事や呼吸法、
さらに心の持ち方をたしかにする養生法の組み合わせが、
ガンに負けない基本の基本だと思うようになって、
スローヘルスをわが身の健康法と決め、
また同輩にも「ガンはゆったりゆっくり」
「ガンは引き分けでよい」
「同行二人=ガンと共に一歩一歩いこう」という
温かくて和やかな療法を励行して凌いできたわけです。

医師の言いなりになって、絶えず、手術を繰り返し、
抗ガン剤を浴びるのは愚の骨頂だと思います。
かえって、患者は免疫力を落とし、
「ガンそのものではなく、
激しい治療でいのちを落しかねない」
からです。

僕が9年前に「母はボケ、俺はガン」
という闘病記を書きました。
すでに読んだ人も多いと思いますが、
手術を拒否してガン病棟脱走した記録です。

           *

「先生、手術以外にガンの治療法はないのですか?」
「ありません」
「では、退院させて下さい」
ガン病棟で交した、
この奇妙な会話が“命を拾う”分かれ道となりました。
ガンは切るべきか? 切らざるべきか? 
ガンと宣告されれば、誰しもが頭の中が真っ白になり、
治療の選択に迷います。
しかし、僕は食道ガンの手術を拒否して、
勇を振るってガン病棟を“脱走”し、
とうとう生き延びてしまったのです。
運命の一寸先は分かりませんね。

          *

ちょっと大学病院を中途退院してしまうことは大変で、
また、友人・知人たちも「バカなヤツだ」
「手術しないなんて、もうあいつはお陀仏だ」
と呆れたものです。
しかし、手術しないで、
延命する選択肢もあるのです。


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2007年11月7日(水)

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