元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1900回
「スローヘルス」に余生を楽しもう!

ガンは手術だけが万能ではないという話の続きです。
僕の敬愛する土屋繁裕医師は「がん病棟の真実
という本の中で
次のように書き残しています。

「私は、外科医はもちろん、患者さんにも
もっと手術には慎重になって欲しいと思っています。
手術を魔法のように考えている患者さんがいるとしたら、
それは大間違いです。

手術を受ければ必ず傷を負い、臓器の一部を失います。
一度取り除いた臓器は、
二度と元には戻りません。
残された人生の生活の質も、
手術を受けなかった場合よりも
確実に何割かロスすることになります。(略)

手術をして5年生きた場合と、
手術せずに3年しか生きられなかったケースを比べると
イコールになってしまうケースもあるのです。
手術そのものの危険性も、決してゼロではありません。

いくつかのマイナスやデメリットがあるのに、
癌の治療の中心が手術になっているのは、
良い方法が他にないため、
やむなく最後の手段として行われている荒治療が手術なのです。

ところが、外科医のなかには、
あたかも手術が魔法であるかのようにいう先生がいます。
『手術は痛くもかゆくもないですよ。
直ぐに元気になりますよ』
おかげで患者さんは誤解しています」

土屋医師は、以下のようにも書いています。
「癌の治療では、生きることと治ることが
必ずしも一致するわけではない、という
難しさがあります。
たとえ癌が治っても、自由に生活が出来なければ、
何のために生きているのかわかりません。
逆に癌のために寿命が多少縮んでも
死ぬまで快適な生活が維持できていれば、
幸せだったといえます(略)。
わかりやすくいえば、たとえ延命が出来たとしても
極端に生活の質が下がるようなら、
果たして、その手術は有意義であったかどうか。
術後の生活の質とのバランスを考えて、選択すべき」と。

そして、とくに、再発や再度の原発ガンの危機に瀕したら、
次のように考えようと結論しています。
「私は、再発した場合は、
癌との共存の道を探り、
出来るだけよい状態でよい余生を楽しむという方針でいくのが
基本ではないかと思っています」

癌研病院で700人の患者を手術してきた
ベテラン外科医がいうのですから、
決して、
「ガンは手術が最良の治療」とは言い切れません。
ここが、ガンでも長生き、ガンとうまく折り合っていく、
ガンと引き分けでいく・・・
ガンのスローヘルスは発想法の原点だと思って、
僕はこれまでガンと共生してきたわけです。
いま、土屋先生は居られませんが、後輩の三好立医師が
キャンサーフリートピア1の医業は受け継いでいます。

ともあれ、土屋先生は、ガン治療の迷信を打ち破って、
いかに「スローヘルスに余生を楽しむ」か・・・
その貴重な教訓を遺してくれたと、
僕はいつも土屋医師の本を読み返しては
元気と知恵をもらっていることになります。


1 http://www.cftopia.com


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2007年11月9日(金)

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