元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1925回
「生きて、生かされる」

経済や政治はもちろん、
家庭や教育、健康や心の悩みごと・・・
先行き不安が複雑に絡み合う時代になると、
成功本や金儲け本、そして
新システム対応のマニュアル本が売れる一方で、
スピリチャルな本が俄然、脚光を浴びることになります。
われらがホリスティック医学の権威、
帯津良一先生の新刊本が、
この年末年始にはたくさん出るようです。
帯津医師といえば、僕が「月刊帯津」とニックネームをつけた如く、
毎月のように新刊が出て、
新しい時代の身・魂・心の人間丸ごとを見る、
そして全人的な人生を考える提案を続けておられるわけですが,、
いまや「週刊帯津」と名前を変えたらぴったりだと思うほど
執筆活動にも大忙しなのです。

ちょっと前に、このコラムでも、
帯津良一医師の近刊
「死を思い、よりよく生きる 」を取り上げ、
信頼できる医師と付き合う・・・そうしたいい場を作ることが
ガンの危機をゆったりと乗り切る事だ――、
治療が「心」の面で及ぼす効果はとても高いという
帯津医師らしい話を紹介しました。

続いて、今度、帯津医師から送られてきたのが、
「いのちの力」(藤波源信、帯津良一・共著)という対談集で、
日本のホリスティック医学の先駆である帯津医師と
戦後12人目の千日回峰行を成し遂げたという、
比叡山の藤波源信・大阿闍梨が
医療現場と修行で得た「死生一体」を語り合うという
異色の顔合わせの本です。

いのちは、決して、西洋医学の力だけでは
守りきれるものではない、
人間の心をベースにした
心身全体のエネルギーのパワーを上げることが大切だとする
帯津医師の思想の基本=「心」の世界について、
大修行の藤波大阿闍梨と語り合い、
「生きて、生かされる」という境地を解き明かすのですから、
ガン患者ならずとも、興味津々の世界が展開します。
これまた、冬休みの必読の一冊だと思いますので、
スピリチャルや修業瞑想の世界に
興味の深い方は読んでみてください。

ちなみに、大阿闍梨(だいあじゃり)とは、
ご存知の方も多いと思いますが、
『千日回峰行』を満行し、悟りを開いた行者に贈られる称号で、
わかりやすくいえば「生き仏」です。
「千日回峰行」とは、比叡の山を毎日30キロから
40キロを走りめぐって礼拝する行で、
期間は延べ1000日(7年間)に渡る。
回峰700日目では9日間の断食、断眠、不臥で祈り続ける
「堂入り」という生命の危機に遭遇する難行だそうです。

医学界の「いのちの仏様」と患者から慕われている帯津医師と、
「生き仏」=藤波大阿闍梨の貴重な講話対談ですから、
読めば、きっと、いのちの場のエネルギーが上り、
魂のパワー漲ってくるはずです。

大阿闍梨(だいあじゃり)になった人は、
戦後、12人しか居られないそうですが、
千日回峰行には厳しい掟があり、
「もしも途中で修行が続けられなくなったら死なねばならない。
そのために行者は短刀を持ち歩いている。
7年間の間に怪我や病気で歩けなくなったら
それで自害する覚悟で行う・・・
といった千日回峰の苦行の様子や、
「山川草木悉有仏性」(山や川、一木一草、
石ころに至るまで仏性あり)とする
仏教の奥義もわかりやすく読むことが出来ますから、
心身が清められることはいうまでもありません。


←前回記事へ

2007年12月4日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ