元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1934回
ガンは「完治力」より「延命力」(3)

ガンは「完治力」ではなく、「延命力」がポイントだ――
そのポイントを書いた拙著「ガン延命学新書」の
「あとがき」の抜粋紹介の続きです。

           *

たしかに手術や化学薬は日進月歩の勢いで進歩しています。
多くの患者が藁にもすがる思いで最新の治療を捜し求めます。
いっとき、手術や化学薬で症状が改善されることがあります。
しかし、大抵の患者が激しい副作用や後遺症、
さらに再発と転移の不安のなかで、
入退院を繰り返す日々となります。

はじめは気がつかなくても、やがて、
この世の中に「一発完治の特効薬」や
「神ワザの手術」などないことに、
多くの患者と家族が気づくわけです。
たとえば、抗ガン剤が効いたというと
「ガンが治った」と思われがちですが、これは大きな間違いです。
抗ガン剤の「奏功」とは、
100人に20人以上についてガン腫瘍が半分に縮小し、
この状態が4週間以上続くことを意味します。
5人に一人にこの効果があれば認証されているのです。

また、製薬会社のホームページを見れば分かりますが
シスプラチンとか、ジェムザールなど、
いわゆる抗ガン剤は、標準商品分類では
「毒薬」に分類されていますが、
こうしたことは患者に手渡される処方箋にも書かれていませんし、
「抗ガン剤=魔法の弾丸」情報を流す、
マスメディアの記事では、めったに触れられていません。

ですから、大病院の医師たちも、
もういい加減に、いま公認されている
手術、抗ガン剤、放射線の「功罪」と「限界」を
患者と家族の前に情報公開し、
「切れば完治します」「最新の抗ガン剤なら治ります」などと、
もったいぶったことを言わずに、
「ガンは感染症や切り傷の治療のようにはいきません」
「ガンは全身老化症の前兆です」
「人間のいのちは機械修理のようにはいきません」と、
もっと素直に明言した上で、患者と家族に、
より精神性の高いホリスティックな治療設計を
提示すべき時代に入ったのではないでしょうか?

たしかに、大病院には手先の器用なブラックジャック
という名医もいるでしょう。
神の手と呼ばれる、手術回数の多い医師もいるでしょう。
ネズミの実験で効果の出た
「魔法の弾丸」と呼ばれる抗ガン剤もあるでしょう。

しかし、よく西洋医学サイドからは、
東洋医学や代替療法をエビデンス(実証性)のない、
迷信のような医学だと指弾しますが、
近代西洋医学にも偏狭な迷信まがいの話が
たくさん潜んでいるわけです。
人間のいのちを壊れた機械のように扱う
「部品修理医学」だけでは、
もうこの複雑化したガンという
突発性老化病=生活習慣難病は治まらないことが、
患者サイドから見抜かれてきたわけです。

もちろん、立証性が低い、非通常治療や健康食品に対する
過剰な氾濫にはチェックが必要ですが、
そのまえに正すべきは、通常医療における
ガン治療の「功」と「罪」を情報公開し、
この長寿災難時代、さらに高度情報社会に対応した
患者実態に見合った医療システム=
より高次元の“いのち学”システムを
創りあげる時代が来たと思います。(以下略)

          *

どうでしょうか?
気になる方は、拙著「ガン延命学新書」を通読してみてください。
きっと、ガン克服とは「完治力」という言葉ではなく
「延命力」で掴み取るものだ――ということが分かるはずです。


←前回記事へ

2007年12月13日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ