元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1935回
「いのちの居場所」と「いのちの帰る場所」(1)

元気で長生き! 明るく前向きに!
ガンばかりか、長い長い人生をパワフルに悔いなく、
生き抜いて行くための格言はいろいろあります。

僕の主治医の帯津医師が数多くの著書で書いておられますが、
「ただ、明るく前向き」では、病気の克服も、人生の転換も
そうそう掴めるものではありません。
前回、紹介した拙著「ガン延命学新書」の中で、
帯津医師と80歳を超えて病気知らずで過ごしている80歳、
ジャーナリズムの先輩で情報企画集団「知性社」の社長である、
小石原昭さんとの対談で、
帯津さんは以下のように語っています。

「無理に明るく前向きを装っても人生の養生はうまくいかない」
――、
そうではなく、「人間は哀しくて寂しいもの」
と思えば希望もむくむくと湧いてきて
病気も治るものだという話です。

                *

小石原 自然治癒力を高める日常のライフスタイルについて、
先生のお薦めや注意点をお話下さい。

帯津 心の問題がいちばんだと思うのですが(略)
明るく前向きにというのは、
人間の世を忍ぶ仮りの姿なんだということに気がつきました。
病状のデータがよくなりました(略)
と伝えるだけで、誰でもが明るく前向きになる。

小石原 でも、悪くなっていく人もいますね。

帯津 明るく前向きは無理だと思いました。
そして、人間は哀しくて寂しいものだと結論したんです。
(略)ですから患者さんにも
「人間は哀しくて寂しいものなんだから、
それより下はもうないから、その大地から未来に向かって
生甲斐の大木をたてたらいい」と言うんです。
けれども、大袈裟じゃなくていいんです。
要はそれを育てていくことが大事じゃないでしょうか。

                *

では、不運、災難、病気を克服するパワーの源はどこにあるのか?
それは、自分の「居場所」と、
やがて「帰る場所」を持っているかどうかで
大きく分かれるように思います。

ちなみに「ちりとてちん」という、
NHKの朝のドラマを見ていたら、
渡瀬恒彦が扮する落語の師匠「徒然亭草若」が
修行中の女主人公「徒然亭若狭」を元気付けるとき、
「あんたが元気にいられるのは、
帰る故郷があるからだよ」というセリフがありました。

不運、災難、病気を克服して、人間は寂しい、
これ以上悪いことはないと思ったとき、
生きるパワーを呼び起こすものとは、
自分の回りの「いのちの環境場」なのですね。
これが大いに人生を左右します。
たとえば、ふと故郷を思い出したときに、
目に見えない温かいパワーを感じたことはないでしょうか?
現実に、あなたが温かい家庭や相性の良い医師を持っていれば、
それは寂しくなる気持ちを甦らせ、
いきいきとしたエネルギーをもたらしてくれる
パワー源になってくれるはずです。
僕の主治医の帯津先生は、
それを「いい生命場を持つ」といっておられますが、
もっと、端的にいえば、あなたがいま,
いいエネルギー源となる
「いのちの居場所」を持っているかどうか?
この不安定で不確定な時代にこそ、小さくても良いから、
あなたの「居場所」という環境場、
生命場を大事にしているかどうか・・・
ここが、これからの生き方の大切なポイントです。
これは決して会社や健康施設などで得られるものではありません。

さらに、不運、災難、病気を克服して、
悔いなき人生をパワフルに設計する自信とは、
自分の「いのちの帰る場所」を
自覚しているかどうかにかかってくるのです。


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2007年12月14日(金)

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