元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1951回
「甘い話」より「渋い話」(2)

「ガン治療、“甘い話”には注意しよう」――、
これからは「甘い話」より「渋い話」に耳を傾けて、
自分の治療設計、人生設計を積み重ねて行く時代だ――、
というわけで、いま発売中の「いのちの手帖」第4号では、
僕が「いのちに関わる“ちょっと渋い話”」という
35ページにわたるエッセイを書き下ろしているので
ぜひ読んでおいてほしい――
本来の医学、いや「いのち学」とはどういうものなのか?
患者のみなさん、家族のみなさんにもぜひ考えていただきたい――、
という話の続きです。
いま発売中の「いのちの手帖」第4号に掲載した
エッセイは以下のような目次ですが、
その「第1話」から抜粋紹介をしておきましょう。
●巻末35ページ大特集●
いのちに関わる「ちょっと渋い話」3題
第1話 オイチニの薬は良薬ぞ! 
    日本人が忘れた「言葉の置き薬」
第2話 「40歳から魂を磨く」――
     いのちに関わる、ちょっと渋い話
第3話 「ホリスティックこそ近代医学」――
     ウイーンの医学博物館ぶらリ旅

        ――スローヘルス(温和的発想学)のすすめ――

               *

(略)たしかに近代西洋医学は日進月歩、
いや“分進秒歩”の勢いで進歩を遂げました。
衛生思想を社会に普及させ、手ごわい感染症、伝染病を撃退し、
戦傷者や負傷者を救ってきました。
しかし、ひたすら欧米医学のツマミ食いに狂奔。
人間のいのちを「機械の修理」のように扱うことが科学的で
合理的であると妄信・曲解し、
わずか100年の間に「病気を診るが病人を診ない」という、
じつに不愉快極まりない医療制度を即製してしまったことは
間違いだったのだなあ・・・と多くの患者や家族が、
この長寿慢性難病社会で気づき始めたといったらよいでしょう。
ほんの数十年前に遡って、
有名作家の小説や
闘病日記などを読み返してみたらどうでしょう? 
日本には、山本周五郎の小説「赤ひげ療譚」の
新出去定のような「医は仁術」を受け継ぐ、
人間味に溢れる医師が、巷にはたくさんいたのだなあ
ということを思い知らされます。

薬に対する考え方も百年一昔。
ずいぶん変わってしまいました。(略)
富山の薬売りといえば、
「心がシャキッとする『言葉』の置きぐすり」(寺田スガキ・著)という
“渋くてさわやかな”本があります。
昔、置き薬屋さんが、お土産の紙風船のほかに、毎年、
家庭に置いていく格言集を集めたチラシがありまして、
この中には、まさに心の滋養とでもいうべき
「処世の金言」が書かれていて結構、重宝がられたようです。
昔の薬屋さんって、ただ風邪や腹痛の薬を売るだけでなく、
お客さんの身魂心を丸ごと元気にする
エネルギー源=「言葉の置き薬」も置いていったことが、
この本を読むとよく伝わってきます。(略)
「日常の戒め10訓」の警句などは読んだら圧巻です。
1、高いつもりで低いのが教養   6、薄いつもりで厚いのが面の皮
2、低いつもりで高いのが気位   7、強いようで弱いのが根性
3、深いつもりで浅いのが知識   8、弱いようで強いのが意地
4、浅いつもりで深いのが欲の皮 9、多いようで少ないのが分別
5、厚いつもりで薄いのが人情  10、少ないようで多いのが無駄

欧米かぶれや合理志向で誤魔化してきた、
日ごろのいい加減さが反省させられ、
読めば気分がシャキッとして、
やがて心が和んでくる不思議な本と思いませんか? 
みなさんも、この戒め一〇訓の「心の置き土産」を
書斎の壁にでも貼って見てください。
きっと背筋がシャキッとするはずです。
もちろん、お医者さんもゴルフや
カラオケに狂っている暇があったら、
診察室にでも貼って熟読玩味してみてください。
「高いつもりで低いのが教養」
「 低いつもりで高いのが気位」・・・
心にガツンと響く妙薬です。(以下略)

         *

どうでしょう? とても「渋くていい話」でしょ。


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2007年12月30日(日)

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