元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2105回
日本は「長寿病弱国」でいいのか!

今、日本人、いや日本の国家が抱えている
将来不安の最大のキーワードは
「病弱長寿」という言葉ではないでしょうか?

二人に一人がガンのような
難病患者になるという不安ばかりではありません。
65歳以上の高齢者が5人に一人という現状から、
2055年には2・5人に一人という
少子高齢社会の叫ばれる中で、
年金はどうする、医療費はどうなる、
介護は大丈夫か・・・と政府もお手上げの難問山積で、
健康や病気の問題にとどまらず、
生活そのもの「格差」が問題になってきたからです。

おまけに経済成長の鈍化が、
雇用の格差、資産の格差を生み、
さらに「いのちの格差」を拡大したことになります。
内閣府の「国民経済計算確報(2006年度)」では、
日本の1人当たりGDPは
OECD加盟30カ国中3位から18位に転落。
「貧乏人は治療を受けられない」
「後期老齢者は早く死ね」・・・といった政策論理が
堂々と世の中をまかり通る時代となってしまったわけです。
そして、この「いのちの格差」現象は老若男女を問わず、
日本人の精神的なモラル低下を起こしました。

子どもが親を殺す、親が子どもを見離す・・・
50年前、100年前の日本から見たら、
とんでもない「病弱長寿国」が物心両面で
実現しつつあるといって言い過ぎではないでしょう。

世の識者が、さかんに「国家の品格」だの
「女性の品格」だのといって、
倫理の高揚を叫んでいますが、はたしてどうでしょうか?
古臭い道徳倫理や欧米借り物の教育論を振りかざしても、
とてもとてもこの「長寿難病」といいますか、
「病弱長寿」の国直しの特効薬とはなりません。

物心両面を襲う「この国の病弱長寿」の原因は、
ずばり! 「日本のよき伝統」を、
この50年、100年の間に喪失する
欧米モノマネの政策を追行してきたからだと思います。
といっても、僕は国粋論者ではありませんし、文科相、厚労相でも
ありませんから、偉そうなことはいいませんが、
日本人の体と、日本の土地に密着した発想を
日本人は捨ててしまったからだと思うのです。
日本人がこの100年で忘れた最大の忘れ物――、
それは忠孝、愛国、臥薪嘗胆といった「空疎な思想」ではなく、
日々、心身を養っている日本人らしい
「食の思想」を失ったことでしょう。

このコラムでは、なんども「食は体を作る」
「食は心を育てる」と書いてきました。
ガンや糖尿病、さらにアレルギーやメタボのような
「長寿病弱」慢性病の蔓延は、
まさに欧米借り物の肉食脂肪食過多
さらに糖分過多の蓄積で起こったことでしょう。
そして、物心両面で元気を失い、
欧米人まがいの凶暴な性格やキレル人間も育てました。

食のモラルが地に落ちたいま、
もう一度「食」について「いのちの身土不二」について考える、
施策を創る――、ここに「長寿病弱」国を建て直し、
一人一人が「元気で長生き」の幸福を掴む
大事なポイントがあると僕は思います。
ちなみに「いのちの手帖」第5号が、遅れましたが
6月末に発売されます。
その特集の一つが「偽食から正食へ!
食は運命を変える」ですから、楽しみにお待ち下さい。


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2008年6月1日(日)

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