元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2107回
日本と日本人の「病弱体質」を治すには

最近、新聞やテレビのニュースや発言を聞いていると
ほんとうに情けなくなってきませんか?
政治家も役人も、マスメディアまでもが、
法律や制度の瑣末なことばかりに拘泥して、
まったく長期的な国の施策を提示できていないからです。

この「長寿病弱」社会の構造を抜本的に変えるには、
「後期高齢者」批判を適当にかわしたり、
「高齢者終末期制度」を一時凍結するような
姑息な政策でことが済むものではありません。

また欧米の高消費税国をモノマネして
安易に税負担を増すことで、
近代100年に積み重ねてきた、
日本と日本人の「病弱体質」を治すことは出来ないでしょう。
いまほど、為政者たるもの=政治を司る立場の政治家、官僚に、
ふさわしい配慮と卓見が応急される時代はないでしょう。

というわけで、このコラムでは、なんども「食は体を作る」
「食は心を育てる」と書いてきました。
日本人の心身の土台となっている、
「食育」をマクロビオティックの食思想から、
長期的施策を見直すべきだと提案してきたわけです。

ガンや糖尿病、アレルギーやメタボ、さらに認知症・・・、
まさに欧米借り物の肉食脂肪食過多
さらに糖分過多の蓄積が起こしたことでしょう。
そして、物心両面で元気を失い、
欧米人まがいの凶暴な性格やキレル人間も育てました。
いまこそ欧米モノマネの施策でお茶を濁すのではなく、
日本人の「心身」と「環境」に即した、
身土不二(しんどふじ)の発想構築が急がれてきたと思います。

さて、このコラムでなんども提唱している、
マクロビオティックとは「偉大なる生命の営み」という
ギリシャ語に由来する言葉です。
ただの玄米菜食のダイエット食事法の理論に止まりません。
約100年前、明治の軍医・石塚左玄を始祖として、
桜沢如一によって体系化された日本人らしい食思想なのです。
本来の発想は「健康と平和」を求める
国際的で哲学的な発想なんですね。
一人一人の「健康と幸福」の基本から発想し、
「家族の健康と幸福」、「地域の友好」、
「民族間、国々の自由と平和」と発展させた、
人間らしく、日本人らしい思想なんですね。

桜沢如一著 『東洋哲学ー最高判断力の書ー』(日本CI協会)に
その原理が詳しく書かれていますが、
ちょっと分かりにくいところもありますので、
ポイントを挙げると以下のようなことです。
●「マクロビオティック食思想」とは、
そして「人間の最高判断力」とは・・・、
「もっとも栄養バランスのとれた
玄米を中心とする食物の選び方、取り合わせ方が
人生の健康と幸福及び
世界人類の健康と平和を確立するものであり、
東洋哲学の基本『陰陽原理』と
生態学の秩序『身土不二』を重んじた健康法。
これによって、もっともお金のかからない
エコロジカルな生活を営みながら
最高の健康を手に入れることができる」
「この食思想によって、一人ひとりの判断力、
意志力を高めることができ、
心身の総合的な潜在能力が
最高に発揮できる人間を育むことができる」――、
というものなのです。
いま風に言えば、この近代100年の欧米モノマネの
肉食、脂肪食、砂糖食過多の食習慣と発想が、
「長寿病弱」の人間と国を作った・・・と、
いまなお、桜沢さんは警告しているといってもいいと思います。


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2008年6月3日(火)

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