元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2120回
患者が「最良の相談者」になる

「漂流患者の『いのち&こころ』を救う
『がん難民コーディネーター』に密着!」と題する、
6月2日発売の「週刊ポスト」に
僕たちのスローヘルス研究会の仲間である、
翻訳家の藤野邦夫さんが登場した――
藤野さんのカウンセリングを受けて、
まさに「地獄に仏」と押しかける患者が沢山いる――、
という話の続きです。

「がんとの闘いは情報戦です。
私の知識や人脈がお役に立てばと考えただけです」
と、『がん難民コーディネーター』の藤野さんは謙遜して
明るく笑うが、自らもガンを抱えての活動ですから、
大変献身的な日々なわけです。

藤野さんは翻訳家でありますから、
現場の医師より欧米の医療情報に詳しいことは有名で、
僕たちのスローヘルス研究会の雑誌=
「いのちの手帖」に寄せる原稿も、
じつに最新の医療情報を細かいデータあげながら、
患者や家族の皆さんにアドバイスを送るものなのです。

たとえば、いま発売中の「いのちの手帖」第4号では
●最前線医学情報――                       
「急増する前立腺ガン、子宮頸ガン、食道ガン・・・
10年治癒率で優れているブラキセラピー療法」
という7ページにわたる
エッセイというより、医師顔負けの論文で、
前立腺ガン、子宮頸ガン、食道ガン、すい臓ガンなどの患者さんや
家族の皆さんから、大反響をいただきました。
すでに、読んで藤野さんから
アドバイスを受けた人もいるかも知れませんが、
以下のような内容でした。

         *

1990年代の後半から、世界の医療先進国の医療体制に
明確な変化が見られるようになりました。
それは患者の「生活の質」(QOL)を重視しようとする、
新しい医療姿勢の出現でした。(略)
その基本にあったのは、患者を壊れた機械でなく、
思考と意志と感情をもって生活する生命体として尊重し、
病気の質に影響をあたえようとする考え方でした。
それ以前の医療は病気の治療を優先するあまり、
患者が苦しむかどうかを気にもしませんでした。(略)

現在の世界のガン治療の大きな特色のひとつは、
放射線が手術と同等の効果をあげていることです。
だから、患者の身体的・精神的な負担を
さらに軽くしようとすれば、「放射線治療」に軸足を移すのが
当然の選択肢になります。
医療先進国のガン治療は、まさにこの方向に進んでいます。
たとえばアメリカでは66%、ドイツでは60%、
イギリスでは56%のガンが、
放射線だけで治療されています。(以下略)

           *

最新情報の知識も勉強したガンの患者ではなければ
書けない、ほんものの「患者学」のエッセイです。
僕の好きな格言に「久病良医」=
長わずらいの患者こそ
最良の医師である=という言葉がありますが、
まさに藤野さんはその実践者です。

そして、7月1日に発売になる
「いのちの手帖」第5号では、『がん難民コーディネーター』=
藤野さんの22ページに及ぶ論文が載ります。
題して、●最前線医学情報――
あなたは「ガンの痛み」に耐えられるか?        
――イザというとき
知っておくべき鎮痛療法と緩和ケアの新知識――
という力作ですから見逃せません。
このさわりは、明日、少し、紹介します。


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2008年6月16日(月)

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