元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2122回
続・あなたはガンの痛みに耐えられますか

評判の『がん難民コーディネーター』=
翻訳家の藤野邦夫さんが
7月1日発売の「いのちの手帖」第5号に寄稿した――
題して、●最前線医学情報――
「あなたは「ガンの痛み」に耐えられるか?        
――イザというとき知っておくべき
鎮痛療法と緩和ケアの新知識」という、
22ページの論文は見逃せない――、
という話の続きです。

          *

 重い病気では、医師も患者も、
痛みをとることを重要な問題として考えない傾向があります。
大きな手術のばあいなど、痛みに耐えるのが
あたりまえだと考えるのが、こうした傾向の代表例でしょう。
たとえばガン患者では、ガンと診断されたときに、
すでに30パーセントの人が痛みを感じており、
病気が進行すると、
60〜70パーセントの人が痛みに苦しむといわれています。
病状がさらにすすめば、
80パーセントの患者が痛みに苦しむとされています。
しかし、これまで少なくとも日本では、
ガン患者を痛みから解放しようとする考えが
一般的になりませんでした。
どうしてガンの痛みの治療が、
本気で考えられなかったのでしょうか。

 ひとつには患者の側に、ガンとは痛む病気であり、
痛みに耐える以外にないという「思いこみ」があったようです。
また、痛みを訴えるのはみっともないとか、(略)
よぶんな経費がかかりそうだという
気遣いもあったにちがいありません。
さらにガンがよくなるのなら、
少しの痛みや苦しみをがまんするのは当然だと
考えた人たちも少なくないようです。
それに医療側に痛みや苦しみを訴えても、
「しばらく様子をみましょう」というような、
消極的な反応しか返ってこないという事情もあったでしょう。
また、これまでのペインクリニックは、
末期ガンの患者の苦痛の緩和にしか適用されなかったので、
痛みの治療をうけようとすると、
いよいよ最期がきたという恐れが先だったのかもしれません。 (略)

 国連は1989年に「モルヒネの使用量で、
その国の緩和ケアのレベルがわかる」と発表しました。
ところが日本のモルヒネの使用量は、
カナダやオーストラリアの10分の1、
アメリカの7分の1、フランスの4分の1と、
医療先進圏では最低のレベルです。
日本ではガン患者の人数から考えると、
低く見積もっても、現在の使用量の
10倍は必要だろうといわれています。
オピオイド鎮痛薬をまとめた全体の使用量にいたっては、
アメリカの20分の1というありさまで、
それだけ日本のガン患者は
不当に苦しんできたことになります。(以下略)

               *

これは藤野さんの論文のほんのさわりで、以下、
詳細に説明されます。
●痛みをがまんしても、なんのメリットもない
●痛みの種類、性質、段階
●軽い痛みに使う非オピオイド鎮痛薬
●中程度の痛みにたいする弱オピオイド鎮痛薬
●中程度以上の痛みにたいするオピオイド鎮痛薬
●鎮痛薬が効かないばあいの鎮痛補助薬
●骨の痛みにたいする最新の治療法
●神経ブロックと骨の痛みの新しい治療法
●神経刺激療法とほかの方法――、
 ガンの痛みに悩む方は必読です。
詳しく知りたい方は
「いのちの手帖」第5号(7月1日発売)で読んでみてください。


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2008年6月18日(水)

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