|  第174回正しい参拝と神道への知識
 新年、皆さんいかがお過ごしでいらっしゃいますか? 私は、今年発売となる4冊の本の執筆やら確認やら、撮影やらに追われる毎日です。
 そんな中、お正月といえば『雑煮』。お正月にいただくご馳走のひとつです。
 そのいわれは様々ですが、おおみそかに年神様にお供えした野菜や餅を元旦におろして、
 若水を使って
 ひとつの鍋で煮て食べたのが始まりとされています。
 若水とは元旦の早朝に初めて汲む水のこと。何事も『初』という響きはいいですね。
 そして、お正月といえば『祝い箸』。お正月やお祝いの席で使われる、
 両方の端が細くなっている箸を祝い箸と言います。
 お正月は年神様(としがみさま)をそれぞれの家に迎え、おせち料理を年神様と人間で一緒に食べると考えられており、
 一方の端を年神様が、
 もう一方の端を人間が使う
 「神人共食(しんじんきょうしょく)」という意味をもちます。
 この祝い箸が折れるのは縁起が悪いとされ、丈夫な柳が材料として多用されます。
 そのため「柳箸(やなぎばし)」ともよばれます。
 さて、皆さんは初詣には行かれましたか?ところで神社とお寺の違いをご存知ですか?
 寺は仏になるための修行をしたり、
 仏教を布教する建築物です。
 寺という言葉は中国生まれで、
 そもそもは役所のことでしたが、
 仏典の漢訳をする際に役所をその作業場所としたため、
 僧がいつもいる場所を、一般に寺と呼ぶようになりました。
 神社は神を祀る場所で、神体となる自然物や歴史に名を残した偉人が祭られています。
 古来、日本では神様を祭るのに建物などを建てず、
 御神体となる山などを直接拝んでいました。
 現在でも拝殿だけで本殿を持たず、御神体を直接遙拝(ようはい)する神社は数多くあります。
 昨年、藏原これむつ氏の『神道的生活が日本を救う』の特典映像をご覧になった方は正式な参拝ができたと思います。
 参拝とは、お正月や春秋の祭礼をはじめ、初宮参りや厄祓いなど人生の節目に神社へと赴き、
 様々な願いを神にお祈りする行事です。
 参拝時に、もっとも大切なのは真心をこめてお参りすることです。
 心身ともに清浄にし、身なりを整えて参拝をする。これは、参拝のときのみならず、
 日々の生活も同様のことですね。
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