旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第124回
格安航空券の「恐怖体験」

格安航空券の値段は確かに安い。
飛行機に乗ってしまえば機内食や映画の鑑賞など、
受けられるサービスも、ノーマル(普通)運賃を払っている人と
比べても違いはありません。座席の広さも同じです。
ところが、飛行機に乗る前に旅程そのものが大幅に狂ってしまう
「恐怖」を味わうことになるケースがあります。

格安航空券でも、予約のすべてを確定してから出発できます。
日本を出発する便と日本に帰国する便の場合、
他にも格安航空券で乗っている人はたくさんいます。
パッケージツアーの航空券も、元は同じ航空券ですから、
より多くの人が格安航空券で乗っていることになります。

しかし、乗り継ぎ地から先の区間の場合、状況は変わります。
格安航空券は優先順位の低い航空券ですから、
搭乗を後回しにされることがあるのです。
もちろんエコノミークラスの場合です。
空いていれば問題ありませんが、満席になるようなときに、
乗れない「恐怖」を味わうことになりかねません。
航空券に「予約OK」と書いてあっても
当てにならないことがあるのです。
理由は、格安航空券の優先順位の低さと、
航空会社側のオーバーブッキングにあります。

割引航空券も含めた正規運賃やノーマル運賃で乗っている乗客が、
すべてチェックインし終わるのを待たなければいけない。
しかも、オーバーブッキング、すなわち航空会社が予約を
受けすぎていると、当然、人数が余ってしまう。
格安航空券の場合、その余った人数に入る確率が高いわけです。
チェックインを後回しにされたため、エコノミーに空きがなく、
ビジネスクラスにアップグレードされればラッキーですが、
逆に転べば悲惨です。その日に同じ区間のフライトがない場合、
翌日以降にならないと出発できないことになります。
着いた先のホテルを予約していればキャンセル。
ホテルによっては、そのキャンセル料も発生するでしょう。
乗れたとしても、座席を選ぶ余地は残っていません。
横3列席や4列席の真中に座る覚悟が必要です。

日本人があまり利用しない区間は、できれば正規割引運賃か、
エアパス(周遊券)などで予約した方がいいかもしれません。
一般的ではない買い方ですが、旅程が変更になると困る場合は、
旅行会社や航空会社に相談したいところです。
私も、こういう目に遭ったことがあります。なんとか乗れましたが。


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