旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第172回
快適な空港を見分ける「基準」

空港での待ち時間はなるべく快適に過ごしたい。
旅行者なら、誰でもそう思います。
世界的に評価が高いといわれる空港は、
どこも機能としての便利さと、
時間つぶしの際の楽しさとが、
上手にミックスされているようです。

たとえば、オランダのスキポール空港。
ここはメディアでの評価の高さに加え、
関係者からも「手本」にされています。
これまた評判上々の、シンガポール・チャンギ空港も、
スキポール航空を参考にして造られました。
スキポール空港は「シンプル・ターミナル・コンセプト」、
日本風に言えば、「ひとつ屋根の下」と訳せるでしょうか。
それがセールス・ポイントになっています。
つまり、同じターミナルで全て事足りるということです。
乗り継ぎも、買い物も、遊びも。
もちろん、複数のターミナルが必要なほどの
発着便数がないという背景があって、
ワン・ターミナルを維持していられるのですが。

ターミナルを移動せずに乗り継ぎできれば、
乗り遅れのリスクが減るのはもちろん、
時間を有効に使えます。疲労も少なくてすむ。
余った時間を利用してカジノをしたり、
ゴルフの練習をすることもできます。
ミュージアムだってあります。
免税品店の充実ぶりも世界一のレベルといわれ、
買う人がいるかは分かりませんが、
自動車が展示されていたこともありました。
シンガポール・チャンギ空港も、
乗り継ぎのしやすさ、
乗客の動線のスムーズさには定評がある。
免税品店はもちろん、プールや映画館など、
暇つぶしの施設にも趣向を凝らしてあります。

空港の良し悪しを見るときに、
スキポールやチャンギ空港を、
ひとつの基準にすれといいかもしれません。
ソウル・仁川空港、上海・浦東空港、
香港・チェクラプコク空港などと、
アジアにはどんどん新しい空港ができていますし、
バンコクのように新しいエアポート建設が
予定されているところもある。
日本でも、成田空港の第1ターミナルは改装中ですし、
名古屋には来年、中部国際空港がオープンします、
こうした空港がスキポールやチャンギのような、
評価の高い空港になるのか。
あるいはだだっ広いだけの建物、
そんな印象の空港として定着してしまうのか。
空港ウォッチャーの興味をそそります。


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