| 第150回 (旧暦6月8日)自然を読む眼を養おう
 今日は二十四節季の「小暑」に当ります。「小暑」というのは、
 このころから夏の暑さが訪れるということで、
 いよいよ本格的な夏の季節の到来を意味します。
 夏といえばアウトドアライフの盛期ですから、今年の夏もキャンピングなどを予定している人が
 たくさん居るのではないでしょうか。
 そこで、今日から何回かにわたって
 「仙人流野外生活術」を伝授することにしますが、
 まず第1回は、キャンピング適地の選択術を
 紹介しておくことにしましょう。
 つい2、3年前、丹沢の玄倉川でキャンプしていたグループが降雨による増水でテントごと流され、
 何人もが濁流に呑まれて命を失ったことがありますが、
 キャンプする場所を決めるにあっては、
 自然災害に対して安全な場所を選ぶことが大切で、
 そのためには「自然を読む眼」を養わなければいけません。
 自然のフィールドで遭遇する災害には、雨によるもの、風によるもの、岩や土砂の崩壊によるものなど、
 いろいろな原因があるものの、キャンピングに限っていえば、
 とりわけ降雨による増水に気を配る必要があります。
 とくに川の中州は、渡るときには浅くとも
 ちょっとした雨が降るとすぐ水かさが増して
 川中に孤立してしまうことになりますから、
 中州では絶対にテントを張らないことが大切です。
 また、川原も増水による影響が大きい場所で、砂地や石が転がっている所は、増水の度に水をかぶる範囲なので、
 川岸でキャンプするときは、
 これより一段上の草地にテント場を求めるようにすることです。
 そして、この場合でも、よく観察すると、
 草の一部が泥をかぶっていたり、
 横に寝ていたりすることがありますが、
 それは、つい最近そこまで
 川の水が増水したことを示す証拠なので、
 そういう痕跡が見つかれば、
 そこよりさらに高い位置にテント場を求めることが必要です。
 これは、川筋だけでなく池や湖の場合も同じことで、原則として砂地の部分にはテントを張るべきではありません。
 
           
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            | ふだんは小さな流れでも、雨が降ると草地の直下まで水がくる |  |