蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第207回 (旧暦8月15日)
お月見に飾ったススキの利用法

今日は仲秋の名月です。
仙人は、恒例の富士山五合目でのお月見を
昨夜1日早く済ませてきました。
今年は火星の大接近の年で、
満月の左下に赤く輝いて見えますから、
今夜は火星を従えたこの珍しいお月見を
みなさんも存分に楽しんでください。

さて、お月見といえばススキですが、
このススキがすぐれた栄養食品であるということを
知っているでしょうか?
実をいうと、仙人はもう30年程前から
ススキの穂をテンプラにして食べていますから、
ススキの穂が食用になることはよく知っています。
しかし、15年ばかり前に古本屋で
「ある資料」とたまたま遭遇するまでは、
あのススキがそんなにすごい食草だなんて
考えたこともありませんでした。

その資料というのは、昭和ヒトケタの時代に
旧日本軍の軍医が行った研究の成果をまとめたもので、
日本本土はもちろん、台湾、満州、樺太など
旧日本領土全域に分布する食用野草と
その食べ方を紹介するとともに、
ススキやアシ、イヌムギ、エノコログサなど、
これまで食用の対象とされていなかった
イネ科の雑草についてそれぞれの栄養成分を調べ上げ、
栄養価の高いものを粉にして食糧不足や栄養補給に役立てようと
試みた研究の経緯がまとめられていたのです。

その試み自体は
「米国のような優れた製粉技術がなく、実用化は困難」
という理由で結果的には実現しなかったようですが、
その資料に記されたススキの栄養成分を見て、
仙人はビックリしました。
それによれば、ススキの乾燥葉には、
100g中、ビタミンAは28.0mg、
ビタミンB1の場合にはナント730.0mgも含まれているのです。
とくにビタミンB1の730.0mgという数値は驚異的なもので、
現在の強化米のそれが125mgですから、
その6倍近くになるではありませんか!

このススキの葉を食用なりに資するには、
やはり粉にするしかないでしょうが、現在の製粉技術からすれば、
そんなことはオチャノコサイサイのはずですから、
だれか栄養補助食品などに実用化を考えてみてはどうでしょう。

なお、仙人が食べているススキの穂のテンプラも、
片面だけに薄くコロモをつけてパリッと揚げ、
パラリと塩を振って食べると、
骨センベイのような感触でなかなかオツな逸品となりますから、
お月見に飾ったやつで試してみるとヨロシイ。

ススキ

←前回記事へ 2003年9月11日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ