Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第289回
人が困っていることを解決することが起業の出発点

河野さんから起業の話をうかがって
面白い話をたくさんきかせてもらいましたが、
私が一番興味をひかれたのは
「横浜いのちの電話」というボランティアを通じて
知り合った人から
「インターネットで古書や古本を販売できないか」
という相談を受けたことが
起業のきっかけになったというところです。

「いのちの電話」というのは病気や家庭、職場など
さまざまな悩みをもった人の相談に乗る活動で、
北海道から沖縄まで、全国の各都道府県で展開されています。
我が家の親戚にも、カウンセラーの資格をとって
「いのちの電話」の活動に参加している人がいて、
いまにも自殺しようと思いつめている人たちの相談に
乗っているときいたことがあります。
かなり深刻な相談を受ける活動ですから、
電話といっても短い時間で電話が終わることはなく
数時間かかることもあるようです。

河野さんが活動していた「横浜いのちの電話」は
地域の特性から外国人の相談が多いそうです。
ブラジルやポルトガルから日本に働きにきて、
やがて日本に定住し、結婚し、出産する人たちが増え、
その人たちから、結婚するのにどのような手続きが必要なのか、
スペイン語やポルトガル語が通じる病院や
運転免許がとれる試験場はないか
といった問合せがあります。

河野さんはそうした状況をみて、
自分が身につけている自動化の技術を活かし、
そうした質問に対して、自動的にスペイン語や
ポルトガル語で応答するシステムを開発し、
この自動応答システムで
ボランティアの人たちの負担を減らし
人間が対応しなければならない電話相談に
できるだけ集中できるようにしました。

河野さんはボランティア活動の中で発揮した自動化の技術を、
この活動で知り合った人から受けた相談にも活用し、
インターネットを解して
古書や古本を販売するシステムを開発したわけです。

そういえばペンシルロケットを開発した糸川英夫さんが、
ある本で、自分でこうしたいと考えることより、
他人から、こういうことができませんか
と頼まれた時の方が力がでるものだと書いていました。
それにしても人が困っていることを解決することで
新しい事業が生まれ、
それが起業の出発点になったというのは
参考になる話ですね。


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2003年6月12日(木)

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