|   第19回 
          社会保険の素朴な疑問 
        給料から天引きされる社会保険には、 
          主として、健康保険、厚生年金、雇用保険があります。 
          この健康保険や厚生年金に介護保険を加えたものが、 
          一般的に社会保険といわれるもので、 
          雇用保険に労災保険を加えたものが、 
          労働保険といわれます。 
        健康保険、厚生年金は、 
          国や組合など、 
          その運営主体によって天引きされる率が違うのですが、 
          政府管掌の社会保険であれば、 
          健康保険は8.5%、厚生年金は17.35%を、 
          それぞれ会社と折半して支払います。 
        また、雇用保険は、 
          業種によって率が違うのですが、 
          建設業や農林水産業以外の会社であれば、 
          社員が0.6%、会社が0.95%を負担します。 
        雇われる側からすれば、 
          給料といえば額面金額だけのことですが、 
          雇う側は、額面金額に、 
          交通費や社会保険料を加味した金額を考えなければなりません。 
          よって、給料の15%にもなる社会保険料は、 
          会社にとってかなり負担になるため、 
          現在のような経済状況下では、 
          払いたくても払えなくなってしまっている会社も多いと聞きますが、 
          その一方で、負担軽減のため、 
          社会保険にあえて加入しない会社もあるようです。 
        例えば、社員に、 
          自分で国民健康保険と国民年金に入らせれば、 
          会社負担をゼロにすることができますし、 
          会社を2つ作って給料を2ヶ所から出し、 
          社会保険は1ヶ所からしか支払わないことにして、 
          その負担を減らすこともできます。 
        原則的に、社会保険は、 
          従業員が5人以下の個人会社以外のすべての会社が 
          加入しなければならないため、 
          これらは、いずれも明らかな違法行為なのですが、 
          これがまかり通ってしまうのはなぜなのでしょう? 
        また明日。 
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