税理士・濱田善行さんの
「こんなんありだ税っ!」

第33回
社長の仕事は営業デス!

これまでの話しが、
ずいぶん程度が低いとはなで笑った人がいたとすれば、
それは大きな間違い。
お金の出入りをきちんと把握するということは、
会社でいえば資金繰りの管理にほかならない。
よく、
「利益あって銭足らず」とか「黒字倒産」とかいう言葉が
聞かれるように、
会社の血液ともいうべきお金の管理は、
会社存続に関わる大問題であって、
従業員が知らない経営サイドの大仕事である。
もちろんそれは自社に対する思い入ればかりでなく、
従業員を路頭に迷わせるわけにはいかないという
責任感の発露なのであるが、
それゆえに、資金繰りの苦労話をさせたら
いくらでも出てくるのが社長であるし、
資金繰りの苦労があるからこそ社長であるとも云える。

今まで銀行は、
企業の資産価値を査定してお金を貸し込んできたから、
資金繰りはあまり重要視されてこなかったのであるが、
ここんトコ資産価値が目減りして、
貸し出しするのに何を指標にしたらいいのか
わからなくなってきたのか、
やたら資金繰り表を求めてくるようになった。

当然、クライアントから、
この類の仕事が増えてきてはいるが、
もし、社長の資金繰り表が
曖昧な精度でしか作れないのであれば、
これはきちんとお金を払って
アウトソーシングしたほうがいい。
資金繰りから開放された社長は、
自動洗濯機を買って時間ができた
昭和30年代の家庭の主婦のようなものだと思ってもらっていい。
もはや資金繰りは社長の仕事ではないとさえ断言する。
社長の仕事は、
いつショートするかという報告を期日までに受けて、
どこからどれくらい調達するのかを決定することだ。
そして空いた時間は、
ジャカスカ積極的に営業展開をしていただきたいと思うのだ。
社長の仕事は営業デス!

また来週。


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