税理士・濱田善行さんの
「こんなんありだ税っ!」

第36
なんでもかんでもディスクロージャー

ただでさえ資金繰りが厳しいのに、
無借金経営などもってのほか、
いくら経営計画を立てたって、
ままならないのが今のご時世じゃないか、
と云われてしまうのかもしれない。

とはいえ、会社がまわっていくためには、
入金額が出金額を上回っていればいいわけで、
足りなくなるには足りなくなるだけの理由があるわけだから、
それを解明して、
何しろできることはすべてやる。
やるべきことの本当に全てをやり抜いていれば、
「お金が足りません!」
なんてことは起こらないハズなのだ。

ボクが見てきて思うのは、
ダメな会社の社長はやっぱりどこかがアバウトだ。
損益計画などすべて勘で作ってしまう。
その根拠を聞いてみても明快な答えなどありようはずがない。
資金計画だって、
入金予定ばかりか大口の支払い予定をも忘れていたりする。
与信管理だってそのやり方すら知らない。
そのくせ作成資料が正確でないことに怒ったりする。
これでは会社は大きくなれない。
なぜなら社員がついてこれないからだ。
明日の計画をもきちんと立てられない社長に、
誰が自分の人生を賭けようと思うか。

会社が大きくなるためには、
社員ひとりひとりが自立的に働いてくれることが一番いい。
そのためには、
毎月、損益状況や資金収支を開示して、
社長自ら批判の矢面に立たされるもよし、協力を仰ぐもよし。
何しろ経営状態の全部を開示すればいいと思う。
これによって、
会社を自分のものと思う社員がひとりでも出てきたら、
その会社は必ず伸びる。

社長が会社の数字を見せたがらないのは、
会社が自分のものだという執着があるからではないだろうか。
会社は公器。
さぁ!執着から解き放たれて次なる一歩を踏み出そう!

また来週。


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