第7回
組織ケーエイ学5: オタク、SOHOですか。

自分が会社を始めたとき、SOHOという言葉があったかどうか、知らない。
しかし、SOHOという考え方は、わが社にぴったりだ。
SOHOは単なる業態ではなく、仕事についての価値観、
ライフスタイルだと考えている。

わが社の会社案内には、「弊社の求人に応募する前に、
自分の価値観に照らして考えてくれ」と書いてある。
価値観の合わない人が、就職しても続くわけがないと考えているからだ。

「小さな会社であることを恥じる人。大きな会社に入りたいという人。
仕事はできるだけ少なく、給料はできるだけ多く、と考える人。
仕事は生活のために我慢してするもので、本当の人生は
仕事が終わってからはじまると考える人。」
つまりほとんどの人だと思うが、こういう考え方の人は、
わが社向きではないと同時に、SOHO的でもない。

SOHOは、公私の区別がつきづらい。そのことを前向きにとらえる考え方だ。
自分の場合は、こう考えた。
一日24時間しかないうち、
もっともよい時間を10時間以上も仕事に費やしている。
その時間を、ただ我慢して過ごすという考え方にはなれない。
仕事が面白い、という人生でありたい。
大きな組織で、仕事が面白ければもちろんそれでよい。
組織では、面白い仕事ができるかどうかを他人が決める。
それが待てるかどうか。

自分の思うとおりにやってみたい。人生を冒険してみたい。
そうであれば旅行と同じで、荷物を少なくもち、
少人数で出かけるほうがよく動ける。

事務所はなるべく小さく、電話とコンピュータ1台で始め、
ゆくゆくは立派な事務所に美人秘書、外車・・・などとはゆめゆめ考えない。
こうして身軽にしておけば、「投資した設備を遊ばせないために、
意に添わない仕事でも引き受けざるを得ない」という考え方から逃れられる。
わが社にはいまだにコピー機がないけれど、まあ、この流れから来てる。

SOHOとは、起業することで、仕事中心の人生を楽しむということだ
と考えている。


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