第17回
ブランドケーエイ学4: めくらましバーゲン。

価格体系は複雑化する。
ふつうの業種、ふつうの会社での、法則みたいなものだと思う。
このような状況のなか、シンプルな価格を打ち出すことは、
有力なブランド戦略となる。
100円ショップとか、2万円スーツの店とかが典型だ。

安い方ばかりではない。
有名なファッションブランドの商品は、価格設定が比較的単純である。
1万9800円とか2万2800円とかいじましい設定をせず、
単純に10万円だったりする。
「ウチは高い、でも品質は最高だ」とシンプルに訴えている。

ある寡占状態の業界に、新規参入した企業が、大胆な価格を訴えるとする。
対抗上、最大手も値下げをするのかもしれない。
しかし、値下げが客数の増加に結びつかず、
結局は利益を減らすだけかも知れない。
そのような時、最大手の取るべき対抗策は、価格の複雑化である。
または期間限定の大幅値下げキャンペーンをするなどして、目くらましをする。
ようするに、わかんなくする。

このような対抗策に対して、低価格戦略をとる企業は、
あくまでシンプルに低価格を訴えるべきだと思うが、
大手の土俵にのっかってしまうことが多いのはどういうわけだろうか。

目くらましを追いかけて、同様のキャンペーンをうったり、
最大手と同じ価格体系にして、さらに割引制度を付け加えたりする。
その結果、価格体系は複雑化し、結局どこが安いのかわからなくなってしまう。
ある場合はA社の方が安いし、ある場合はB社の方がトクだ。
無数のケースが生まれ、単純にどっちがいいとは言えなくなってしまう。

携帯電話の料金体系とか、航空会社の低価格キャンペーンなど典型例である。
新規参入側が、複雑化のワナにはまってしまうのはなぜか。
どういうブランドにするのか、
経営方針が明確でないことに由来するのだろうか。
この理由を知っている方は、ぜひ教えていただきたい。


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