第55回
ブランドケーエイ学20: はじめての展示会(2)

さて、はじめての展示会で、まずまずの品質で出展はできた。これが営業的な成果を上げるのかどうか、つぎの問題である。

展示会で評判がよかったものは
(1)タイツくんの「励行カード」(かるたみたいなマナーのカード)
(2)フェイバリッチのシステム(簡単にホームページがつくれるシステム)
(3)ピギーというキャラクター(森の郵便配達キャラクター)
(4)タイツくんの書体(組み体操みたいな絵でAからZまで文字をつくった)
という順番であったが、とくに「励行カード」などは、もし販売できるグッズがその場にあれば、相当売れていっただろうと思われた。

まあ、ちょっと気になるのは、やけに玄人受けしていた、ということだ。
一般消費者というのは来ない展示会だが、同業者やクリエーター/デザイナーたちに、特に評判がよかった。これが吉兆なのかどうか・・・。

しかし「商品はよい。でも売れていかない」というものは、世の中にいくらでもあることではないか。
「この感じだと、わが社のモノの品質も展示グレードも、かなりいいですネ。これで売れていかなければ、何が悪いんだろうネ?」と話をしたところ、
わが社の営業担当は、「うーん」と一息おいて、心配そうに言う。
「営業の責任・・・ですかね・・・」
「釣りとして考えますか? 竿は最高、えさもいいし、釣り針もするどい。で、魚がつれない、としますね。じゃ、何が原因か、と。釣り人の腕が悪いのか、魚のいない場所で糸を垂れているのか・・・」
「・・・・やっぱり営業の責任でしょう、かねー?」

このコラムは「スイスイ大学出張講座」であるが、出張とはつまり「本講」があるという意味だ。「スイスイ大学」というマーケティング論を、わが社のサイトでやっている。その第一講のテーマが「こんなにいいものが、なぜ売れないんだ!」であり、社長が机を叩く場面である。
ひとの会社だと、よくポイントが見えるけれど、自分の会社だとどうなのか。
わが社のマーケティングが「外野の評論」や「おかめ八目」でないことを実証するチャンスなのだが・・・。


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