第10回
カフェの経営資源 その2
非常識は常識

最盛期昭和56年に17万軒もあった喫茶店は
「世の中の変化に対応する=経営をする」に対応が遅れ
多くは儲けの構造を失って撤退していきました。
昭和55年その退潮を予想したかと同時に
セルフサービス方式のカフェが台頭して来ました。
現在、日本の喫茶店、カフェのコーヒーの売上杯数の15%以上
東京都心3区、港区、中央区、千代田区なら
50%を超える程になっています。

スターバックスが日本に上陸して5年が過ぎます。
今年中に500店近くなる出店数
昨年末に発表された単年の赤字も、
内部的要因の改善で再び利益の出る体質になるに違いません。
このスターバックスも昭和55年に1号店を
原宿からスタートしたドトールコーヒーショップ。
両者に共通するのは日米のコーヒーロースターと云う事です。
そしてこの両者のコーヒーロースターが採った経営方法は
日米大手既存メーカーの販売チャンネルは
別の方法で成功しています。
さらに共通しているのは「非常識」と云う経営戦略と云うより
経営資源に近い考え方で店舗を創造した事にあります。

表1はスターバックスとドトールコーヒーショップの違いを
表わしたものです。
価格は、スターバックスが高いが、1cc当りの金額は等しく、
決して割高感を与えていません。
紙コップ、禁煙にいたっては
全く非常識であると云って過言でありません。
多くのコンサルタント会社は
スターバックスの日本進出にノーの答えでした。
ドトールコーヒーショップの存在より、
禁煙や紙コップと云う事がネックと報告していました。
たしかにアメリカの常識が日本の常識になると云うのには
時間がかかると云って良いでしょう。
しかしそれは決して非見識ではないのです。
日本人が創った、世界のフードメニュー「すし」は
今やアメリカどころかロンドンで
廻転ずしとして登場して人気があります。

非常識は常識、決して非見識にあらず、
このフレーズは経営資源に使えます。
ドトールコーヒーショップは昭和55年の1号店出店の時
150円コーヒーで販売しました。
当時のコーヒー1杯の価格は300円
2分の1のプライスで販売すると云う非常識な考え方でした。
業界では150円では無理だと云いました。
しかしマクドナルドのコーヒーは140円、
しかし160ccもあったのです。
業界の方が知らなかっただけです。


『非常識は経営資源、販売戦略として考えてはいけない、
非常識は骨太の考えである。』


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