第11回
カフェの経営資源 その3
1/2×2=4の法則

ドトールコーヒーを退社して
コンサルタント業を興して16年がたちました。
この間多くの方からドトール・コーヒーショップの事についての
質問や意見を頂戴しました。
その内で一番多かったのが
なぜ150円の価格にしたのかと云う質問です。

この150円と云う価格を決めたのは勿論、
鳥羽社長ですが提案したのは社員の一人です。
120円では経営がなりたたない。
200円ではだれでも出来て参入障害にならない。
この事は会議でも解っていた事だったのです。
この社員はこう云いました。
『ツーコイン』=150円と明快に発言しました。
鳥羽社長『それだ!!150円だ』
こうして「うまい、早い、安い、さりげなく小粋(こいき)」
と云うストアコンセプトは出来上がったのです。

独立をしてこの話をする時に
ふと150円は当時の都心部のコーヒーの価格が300円。
それを1/2の価格、当時の150円のコーヒー店は
何か侘しい雰囲気があったのを払拭して、
明るく小粋な雰囲気を創って
2倍の付加価値を持つように考えました。
この結果は考えていた客数が4倍になりました。
何を1/2にして何かを2倍掛けると数字では答えが1なのに
商売で見ると4になる。
「1/2×2=4」と云う公式は成り立つのです。
思わず膝を打ちました。この公式は他でもある。
ヨドバシカメラやさくらやと云った、ディスカウンターの商売は
在来50%以上あった粗利益を1/2にして
品揃えは2倍以上のスペースと商品数を用意して
集客を4倍以上に伸ばしました。
利益は4×1/2=2倍になったのです。
新幹線も時間を在来線の1/2、
車両は大きく長くなって客席は2倍。
結果は輸送量が4倍以上になって
日本の経済の発展に寄与してきました。

ドトールコーヒーショップの成功のキーワードは
この1/2×2=4にあったのです。
不況を脱却するには、今の1/2のスピードで物事を処理し、
2倍とは創造力です。
新しい事にチャレンジする力と云って良いと思います。
結果は4倍にかならずなります。
最もわたしの1/2×2=4は、巧く時間を1/2にし、
報酬を2倍、笑顔を4倍にしたいのですが!!


『1/2×2=4の公則は非常識の最たるもので、
有力な経営資源である』


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