第20回
ジャポニズムは今最も新しい

アイスコーヒーは喫茶店、カフェの定版メニューとして
昔からなくてはならない商品でした。
この古くてだれでも知っている商品が
欧米のトップチェーンにはなくて
何とか導入したいと思ったのですから面白いものです。

今、日本のコーヒーロースターは
二つのコーヒーに対して力を入れ始めました。
一つは前に述べたスペシャルティーコーヒーを
海外の産地の商社、農協、農園に積極的に求めて
自社のコーヒーの品質の向上に立ち上がった事です。
これに応えて、ガテマラ、ブラジル、ケニアと云った
有力なコーヒーの産地国が自らスペシャルティーコーヒーの
自国審査をして15〜20程度の優良な生豆を選出し、
それを輸入する各国のコーヒー鑑定士と
オーソリティ15人が最終的な格付をし、
スペシャルティーコーヒーを買う事の出来る
世界中のコーヒーロースターがインターネットで
落札すると云う方法が採られる様になりました。
生産過剰で価格の低下を招き、
品質の低下が心配されているコーヒーマーケットに対する
最も有効な方法と期待されています。
このオークションコーヒーと呼ばれる、
スペシャルティーコーヒーの過半数を
日本のコーヒーロースターや
自家焙煎の店が獲得しているのは注目して良いと思います。

もう一つの動きはポストエスプレッソコーヒーに
日本で育てたネルドリップコーヒー、サイフォンと云った
いくつかのジャポニズムコーヒを主力に育てようとする動きです。
肉食中心の欧米で育ったエスプレッソコーヒーより
米飯中心の日本、アジアの人には柔かく、
マイルドなコーヒーの方が本来向いています。
この中心となるのがネルドリップコーヒーです。
アイスコーヒーだけでなく
主力のブレンドコーヒーにも用いられ、
大型のコーヒーマシンも在来の紙フィルターから
ネルのフィルターに変った店も現われました。


『良貨は悪貨を駆逐する』


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