第19回
温故知新

昨年私は日本のコーヒーロースターの組合の方々
(延べ700名位)にセミナーを開きました。
そのセミナーのテーマは
『ジャポニズムコーヒー』でした。

シアトルから日本に進出したスターバックス、
タリーズ、ピーツ、シアトルベストコーヒーの売り物は
「スペシャルティーコーヒー」でした。
スペシャリティーでなく、スペシャルティーが
全世界のコーヒー業界の用語となりました。
ブルーマウンテンやハワイコナの様に
稀少価値が付いた「プレミアムコーヒー」ではなく、
昔ながらの品種で大切に栽培され生豆にするまで
天日乾燥や保管状態を最良の状態にした
品質本位のコーヒーの事です。

このスペシャルティーコーヒーを用いた
コーヒ・メニューの代表が
エスプレッソコーヒーやカフェラ・テだったのです。

日本のコーヒーメーカーは一方では
スターバックスと同じ様に
エスプレッソコーヒーに力を入れましたが、
主たる販売先が喫茶店、カフェ、ファミリーレストランでは
そう成果はありませんでした。
日本のコーヒーメーカーが次に追うコーヒーは
何かが見えなくなっていました。
そのヒントはスターバックスが教えてくれました。

前回のドイツのチボーと同じくスターバックスが
一番興味を日本のコーヒーから示したのは
「ネルフィルターのドリップ式コーヒー」と
「アイスコーヒー」でした。
しかもアイスコーヒーはネルフィルターで抽出したものでした。
しかしスターバックスでネルフィルターの
ドリップ式のコーヒーを店で抽出する事は、
火や火傷の事がネックになり採用出来ません。
結局スターバックスのアイスコーヒーは
水に24時間近く浸けた水出しコーヒーと
エスプレッソコーヒーを氷にかけて
冷やした方式を採ったのです。


『古くて新しい、オールド&ニューは
今の経済でも必要な着眼点』


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