第30回
カフェの今を知る その5
パン職人がいらないカフェベーカリーが大躍進

セルフサービスカフェの販売構成比率を見ると
(1)コーヒー 65%
(2)フード・デザート 35%
の比率が最も安定した経営をしている様です。
この構成比率を少し変えて、
フード・デザートを50%近くまで上げて客単価を上げ、
高い家賃に見合う業態を開発したいと思うのは
当然の考え方です。

しかし決して広くない店舗の内で
パンを焼成するスペースや
洋菓子を大量にストックする場所も作れません。
そこで登場したのが「ホイロ後冷凍生地」と云うパン生地です。
粉から捏(こ)ねて発酵させて作る製法を
スクラッチ製法と云います。
ホイロ後冷凍とはスクラッチで作った生地を
発酵させ成形してさらに発酵させて、
丁度良い発酵になったら冷凍します。

この方法ですと、スチームが出るオーブン一台あれば
クロワッサンからバターの香りが良い
デニッシュペストリー(菓子パン)まで
全くの素人でもパンを焼く事が出来ます。
下の表にはこうしたパン生地を用いた
カフェのコンセプトを表してします。
51%以上がパンの売り上げの場合を「ベーカリーカフェ」
51%以上がコーヒーの場合を「カフェベーカリー」と分けました。

このホイロ後冷凍生地はヨーロッパ製が数多く輸入されていて、
売価も安く、仕入価格も売価の50%〜60%と
専門のスタッフの人件費+原材料費+運賃+工場償却費を
合わせた自製のものと変らないようになってきており、
導入するメリットは大きくなりました。
洋菓子も台になるスポンジ、タルトを外注して
店では組み立てるだけの店も出て来ました。



『知識+情報=知恵 技術+情報=技』


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