第37回
カフェの今を知る その12
一杯1000円 その秘密は抜群の接客

オーセンティックカフェは
喫茶店の原点を良く知っている業態です。
前回紹介したルノアールチェーン
雰囲気(居心地の良い空間)が魅力の店です。
これに接客が素晴らしいチェーンがあります。
東京新宿、池袋に出店している「談話室滝沢」です。
コンセプトは重役秘書、
清楚(せいそ)と云う言葉がぴったりな
女性が中心の店で、レトロな和風の雰囲気です。
私は個人的にもこの店が好きで
(決して特定の人を目当てではありません)
良く利用しますが、
アメリカ流の接客マニュアルにならされた
ファーストフードやファミリーレストランでは
絶対あり得ない礼法を基本とした
日本式のおもてなしがあるのが最大の利用動機なのです。

アメリカで発達したサービスマニュアルは
「○○円頂戴致します」「かしこまりました」
「お辞儀の礼」はありません。
あるのは○○円になりますと云う
ぞんざいな言葉とドントストップと云う言葉をはきちがえた、
バタバタとした動作です。
本来好感度ベストスリーと云う動作は、
アイコンタクト、スマイリング、ストップモーションが基本です。
ドトールコーヒーショップの責任者の時
この事を接客で一番重要視しました。

滝沢はお客様のプライドを大切にする事を
店の経営資源にしたのです。
滝沢の美点はたくさんありますが、
代表的なものはイスの高さ、座面の奥行き、
素材の素晴らしさです。
ゆったり落ちつけると云うイスの見本です。
1000円は決して高くありません。
(帰りに200円の割引券がつきます)


『1cmで評価は分かれる、ノウハウとはそう云うものだ』


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