第36回
カフェの今を知る その11
昔の喫茶店(オーセンティックカフェ)は良かった

カフェの前身と云って良いでしょう
喫茶店の話です。
昭和56年全国に16万店もあった喫茶店は
今9万店と云われます。
しかし喫茶店とは名ばかりで、
ほとんどはフードメニューがないと成り立たない
曖昧業種になってしまいました。

なにしろ昔の喫茶店も儲かったのです。
原材料費率は15%以下、人件費率は30%以下、
家賃費率にいたっては5%と
FLRコスト(もうおぼえていただけましたか?)が
50%とものすごい儲けの構造を持っていたのです。
この筆頭に立ったのは「ルノアール」チェーンです。
喫茶業界で初めて株式を公開した時の売上は50億円、
経営利益が5億円です。
ルノアールチェーンは
もともとボランタリーチェーンでしたから
この株式を公開したルノアールは
「(株)銀座ルノアール」で最大のグループの事です。
ゆったりとした客席レイアウト、絞り込まれた商品群、
接客は礼法を基準とした日本式の接客、
都会の忙しいビジネスの一ときを商談や談話、
一休みに使えたユニークな商売でした。
こうした雰囲気を楽しみ、喫茶の商品だけで来店動機を把める店を
「オーセンティックカフェ」と私は呼んでいます。

しかしこのオーセンティックカフェは
低い原材料費率は良かったのですが、
人件費と家賃の高騰によって
力を失ってしまいました。
しかしその原因はお客様が減って、
客席7回転と云う繁盛必須条件を
クリア出来なくなった事が最大の理由です。
オーセンティックカフェの必要性と要望は
今なお根強くある事は知るべきです。


『喫茶店はアトモスフェアマーチャンダイジング
(雰囲気は商品)で成功した』


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