第69回
ストアコンセプトの実際 その14
100日前 モチベーションは競合店との明解な差別化要因

賢くて生活の価値観をしっかり持っている
個人主義の消費者が店を利用する動機付けの法則は
今まで、T.P.O(時間、場所、場合)が基本とされて来ました。
しかし現実には職業も年令も地域の特性によって異なります。
この問題をクリアする方法があります。

その方法は「時間帯差別商品政策」と云う考えです。
タイムマーチャンダイジングと呼ばれる商品の販売戦略は、
主力となる客層のライフスタイルに合わせて、
時間帯に必要は商品の品揃えをしていくと云う考えなのです。

松井さんが出店を計画している恵比寿の街は
7つの特性と云うクセを持ち
5つの主要時間帯を持っていました。
それは

(1)朝の忙しい出勤中のビジネスマン、OL達が、
   うまい、早い、安い朝食を求め、
   昼食の買い出しをする時間帯

(2)短い休憩時間を利用してのランチの利用、
   オフィスや店での昼食の買い出しと利用、食事の後の談話

(3)午後の商談、待ち合わせ、遅めの昼食

(4)早めの一杯を求めるトワイライトタイム
   カフェ利用の待ち合わせ、談話

(5)一日の疲れを取り明日の鋭気を養うナイトタイム

と云う5つの時間帯です。

これが利用動機(モチベーション)となります。
この主要な利用動機を満たす商品政策と
価格政策があれば良いのです。
メニュー用紙は5枚で時間帯ごとに変えるのが
最も、効率の良い店舗経営
(ストア・オペレーション)と考えて良いのです。
全時間帯を満足させるグランドメニューは必要ないのです。

利用動機を適確に掴む事は
業態の開発に欠かす事の出来ないポイントです。
松井さんの二毛作型の店舗は
利用動機の細かい分析から生まれました。


『年令層×時間×場所×場合で
業態の開発は無限に拡がるようになった』
(シニアマーケットはこの答えの一つである)


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