第78回
商品コンセプトはこう創る その8
95日前 水で抽出、驚きのアイスコーヒーとの出会い

この布ドリップコーヒーの抽出方法にびっくりしたのが、
コーヒーロースターとコーヒーマシンの人達です。
その方法が全くの常識外だったからです。
しかし実際にコーヒーをテストして見ると
布フィルターの方が甘味もバランスも良いのです。
しかも品質保持する時間が25分がノーマルの所、
10分延びて35分まで品質が落ちないことが
感能テストで実証されたのです。
費用も布フィルターは繰り返し30回近く使える為
ペーパーフィルターと変らないのです。

松井さんは勇気づけられました。
しかし本当はもう一つ心配があったのです。
それはアイスコーヒーです。
特にドトールコーヒーショップのアイスコーヒーは
老若男女に好評で
このコーヒーに勝てるコーヒーを
開発しなければなりません。
そんな松井さんに又々芝さんは一つの提案をしました。

「松井さん、ペンステーションのアイスコーヒーを
飲んだことがありますか?
あのアイスコーヒーはスターバックスにも
ドトールコーヒーショップにもありません。
なぜならあのコーヒーは水で抽出しているからです。
水で抽出すると渋みが少なく、
スッキリとした水色の良いアイスコーヒーが出来ます。
渋みの元のタンニンは湯にとけ易いのですが、
水にはとけづらいからです。
濃く出すには、少量の湯で
始めにコーヒーをむらせば良いのです。
しかも安くて良いコーヒーマシンがあるのです。」

松井さんは(株)カリタ(ペーパーフィルターで有名です)の
水出しコーヒーマシンをショールームでテストしました。
コーヒーはベルニーニの岩崎さんが創ってくれた
特性のアイスコーヒー用ブレンドです。
一口飲んだ松井さんと斎藤さん、驚きました。
「何とすっきりとして品の良い味だ。
これはアイスコーヒーでもないダッチコーヒー
(オランダ式の水出しコーヒー)でもない。
クリスタルの用な気品のある味だ。」


『30のレシピ(仕様書)10の盛り付けのやり直しで
ヒット商品は生まれる』


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