第90回
店造りが始まった その5
85日前 OLD&NEWがデザインコンセプト

四本さんに連絡をとった松井さん、
カフェ・ド・モンタンの
図面と写真を見せてもらって
四本さんに会って良かったと確信しました。

太い、古材を床に敷き、
入口はイタリアのタイルで出迎え、
一段上ったスキップフロアーの奥の客席は
カーペットで落ち着かせ
高い天井は配管を剥き出しにしたスケルトン使用です。
イスは3種類を使い分けて
利用動機をたくみに分散させています。
東銀座の交差点にあった店ですが、
道路面はオープンになる高いドアで構成され、
店の前の植栽で雰囲気をつくっています。

古い部材や伝統的な色彩を使いながら
一方では新しい手法を積極的に取り入れて融合させていく
これをOLD&NEWと云います。
カフェの源流はヨーロッパです。
OLD(オールド)をヨーロッパに求め
NEW(ニュー)現代に求めれば、
全く新しいモチーフ(主題)が見つかります。

大繁盛した原宿の「カフェ・ド・プレ」は
パリのオーセンティックなカフェを
そっくり移植して成功しました。
同じく原宿の「オーバカナル」も
基本はオーセンティックです。
カフェ・ド・モンタンは
オーセンティックにあまり振らずに
昼と夜の雰囲気を変える事に成功しました。
そのポイントは照明にありました。

昼はキッチン内、メニューボード、
柱への照度をスポットライトでメリ張りをつけて明るくし
夜はそのスポットライトを消す事で、
吊り下げ方の小型の色ガラスランプ
(スターバックスが好んで用いる)で
雰囲気をアダルト向きにして
利用動機と客層をたくみに把んだのです。

四本さんに店舗の内外装の設計を依頼した松井さん、
できあがった基本デザインを見てすっかり気に入りました。
「カフェ・ド・モンタン恵比寿に甦る」


『オールド&ニューは20年後ごとにルネッサンスする』


←前回記事へ 2003年6月25日(水) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ