第119回
感動の開店 その時松井さんは その4
4日前 開業のトレーニングでクレーム続出

いよいよ開店まで4日前になりました。
前日に保健所の検査を受け、
何のミスもなく検査をパスすることが出来ました。
また、床に水を流すことなくキッチンを清掃できる
ドライキッチンを見た保健所の方にほめられました。
清潔さは主義であり、経営資源です。

10日前から行われていた座学によるトレーニングも
終了しています。残すは実践トレーニング。
いよいよ今日よりロールプレイニング方式による
実践形式のトレーニングが始まります。
ロールプレイニングとは
トレーナーがまず模範を示し、
その後トレーニングを受ける人がやって見せ、
評価を受ける事を云います。

トレーナーは芝さんです。
ポジションを決めてスタッフがスタンバイします。
全員ガチガチになっています。
まずは芝さんがお手本を示します。
次いで松井さんがお客様になって入店して来ます。
全員で「いらっしゃいませ」と唱和する所。
しかし、何とレジの人しか声が出なかったのです。
トレーニングはストップです。
始めからやり直しです。
これを何回も繰り返し、
全員が笑顔でアイコンタクトが出来るまで
延べ6時間かかりました。

芝さんからスタッフに説明と評価がされました。
お客様が店に入っていらした時、

1.全員がいらっしゃいませを云っている…4点

2.手のあいている人はお客様の方に向いて
  アイコンタクトと笑顔を送っている…4点

3.手をとめ、足をとめている人は
  ストップモーションをして
  いらっしゃいませと云っている…2点

1つの動作には3つのポイントと
最高10点と云う基準があるのです。
これはマニュアルではありません。
もっと大切な基準です。
お客様の喜びが自分の喜びである事が
証明されている瞬間である事なのです。

松井さん、芝さんの話を真剣に聞いている
スタッフの顔を見て自信を持ちました。
全員の顔が活き活きとした表情をしていたからです。


『サービスとはお客様の期待以上の事をする事である』


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